♪〜

春よ来い
 
早く来い
    〜♪










と鼻歌交じりに歌っていると、怪我をしている人発見!!
これは放置できない...ということでとりあえず状況を...
ってこの人凄い血出てるんですけど…ι
大丈夫かな?
それに、鬼道は使えるけど、私四番隊所属じゃないから治療用の鬼道はそんなに強力なの使えないし...
救護班呼んで、その間私の鬼道で出来るだけのことはしようっと...
















 「くっ...」
 「!?……大丈夫ですか!?」
 「誰だ…テメー……俺に何してやがる」
 「怪我してるから治そうと…」
 「へっ、死神が……虚助けるだと?………そりゃ笑えるぜ」










というと、その人は立ち上がる。





 「まだ動いちゃダメ!」
 
 「うるせーんだよ……俺に命令すんじゃねー!……」







再びバタリと倒れる。
その人は死覇装っぽい格好はしてるが、それは白く、黒くはない。
しかも、死神とは思えないような霊圧...
そういやさっき虚とか言ってたっけ?
虚なら他の人に見つかるとヤバイな...
どっか隠れて治療しないと




鈴は見慣れない洞窟へと入って行き、そこで治療をすることにした。


 「(傷深いな〜…どうやったらこんな傷できるんだろ…)」


暫くすると段々傷も癒えてくる。


私も中々のもんだな〜
なんて自画自賛してみたり...


 「!?……この霊圧…虚、しかも一体や二体じゃない!!」




鈴は表に出るとそこには数体の虚がいた。
鈴はすかさず斬魄刀を抜き構える。




 「…」
 『死神ダ』
 
 『久ブリダ…』
 『ウマソウ』
 『コリャ、豪華ダナ』
 『飯ガキタ』







鈴の目の前に5体の虚。
先程使った鬼道のせいで始解すら出来るか危うい状態
そんな状態で5体一遍に倒すなんてことはできなかった。






 『モウ一人死神ニ似タ奴ガイルナ…』








あの人守らなきゃ...でも、どうやって…
考えろ…
5体の虚を引き付けここから離す...
そして、護廷十三番隊の誰か一人でも気付くところにいけたら...
でも、どうやって5体全部引き付ける?
確実にこいつらは中にいる人に気付いてる
そして、私よりも霊圧の強いあの人を確実に狙う筈...
どうすれば...




鈴の額からは汗が一粒落ちる。











 「切り刻め、春叉鮫(はるさざめ)!!」







そう言うと、鈴の斬魄刀はノコギリのように刃先がギザギザになる。
そして、肌を撫でるような風が吹くと、あたりの木が次々と倒れた。
カマイタチという奴だ。



 「はぁはぁ…(思ったより霊圧が残ってない…早く終わらせないと…)」
 『キャハハハ』
 「!?」




鈴の真上から虚が甲高い笑い声を上げて落ちてくる。
その時、運悪く斬魄刀がパリンと音をたて、鈴の手元から消えた。




 「そんな…」
 『イイコト教エテヤルヨ。俺ハ相手ノ霊圧ヲトr!?』
 「…!?」





鈴の真上にいた虚が真っ二つに切られる。



 
 「なんだ、眠くなっちまうぜ」
 「あなた寝てなくて大丈夫なの!?」
 「俺の心配する暇あんなら、テメーは逃げな」
 「怪我してる人放って逃げれないよ」
 「邪魔だって言ってんだよ」
 「…邪魔って」
 『ウマソウナ奴ガ来タ!!』









虚たちは一遍にかかるが、その人の足元にも及ばず、直ぐに消えていった。







 「すごい…」
 「雑魚が...」
 「ねぇ、怪我大丈夫?」
 「うるせーんだよ」
 「だって、さっきまで血流して倒れてたんだよ!!ちゃんと寝てないと」
 「はっ、あんたとは出来がちがうんだよ」
 「#…出来が悪くて悪かったわね…。ほら、血出てるじゃん!!」










鈴は先程巻いた包帯から滲んでいる血を見て言う。




 「このくらい大丈夫だ」
 「ダメだよ。怪我は完治させないと」
 「あんただって怪我してんだろ?自分の治せ」
 「私の掠り傷だから、ほら雨降ってきたし、洞窟に戻って。治すから」
 「うるせー、指図すんじゃねー」









その時、ピカッっと雷が鳴った。










 「ぎゃー!!!」
 「うるせぇ」
 「かっ雷が…」








一人騒いでいると、眉を更に顰め洞窟の中に入る。
というよりは、鈴が雷から逃げるようその人を無理矢理洞窟に戻した。





 「…なんか、ありがとう」
 「…」
 「助けてくれたお礼…遅くなったけど」
 「別に、助けたわけじゃねーよ。切りたかったから切っただけだ」
 「ねぇ、名前なんて言うの?私は五十嵐 鈴」
 「…黒崎一護だ」
 「一護って言うんだ!一護、ほら傷出して」
 「いい」
 「いいから」






来ないならこっちから行くしかないと思い鈴は一護に近づく。












 「ちょっと大人しくしててね」
 「餓鬼と一緒にしてんじゃねー」
 「ごめん…」
 「…さっさと治せよ」
 「はーい」








傷の治り速いな〜
うわっ…凄い爪尖がってるよ…
かっちゃかれたら痛そう…。











 「よ〜っし!お〜わりっと!!」






鈴はニッコリ笑い、先程治した傷口をポンポンと軽く叩く。
そのとき、再びピカリと光、あのいや〜な音が聞こえた。
しかも、洞窟だけに響き渡る。



 「いやだぁ!!」



と言って、鈴は一護に抱きついた。

 「!?」
 「…あっ、ごめん。つい、勢いで...」






一護は不器用に鈴の背中に右手を回す。



 「あんた、俺が怖くねーのかよ」
 「怖くないよ...///(ってなんでアタシ抱きついてるんだろ!?)」
 「普通の奴とはちげーのにか?」
 「別に。だって、護廷十三番隊なんて変な人の集まりだよ?」






鈴は何かを思い出したかのようにプププと笑いそう言った。






 「俺は...怖がられてる」
 「どうして?」
 「周りとちげーからだよ」
 「何が?」
 「・・・。」





鈴のその態度には驚く他なかった。







 「まー、確かに見た目ちょっと違うかも、でも、私はあんたのこと嫌いじゃないよ。悪い奴だとも思わないし」
 「…」
 「それに、私のこと助けてくれたじゃん」
 「だから助けたんじゃ」
 「そういうことにしておくね」







鈴はまた笑って一護を見る。
その顔に少しだけ一護は心臓が高鳴った。
が、ゴロゴロ...ピッカーン
という音に鈴は魂が抜けた顔をしていた。
ハッキリ言って、面白い顔…







 「私は雷に殺される!!」
 「そんなことあるわけねー」
 「有り得なくはないよね?ぎゃー!!!!!!」
 「うるせー」





一護は鈴を恐る恐る抱く。
自分が拒まれたときに直ぐ放すことができるように...
すると鈴は拒むどころか、ギュッと一護の背に腕を回す。






 「グスン......」
 
 「?!…泣いてやがんのかよ!?」
 「なっ…泣いてなんか…フギュヘ〜」




雷が鳴るたび鈴は変な声でないた。
鈴の変な態度に一護は少し笑う。



 「あ〜もうごめんなさい!!阿散井副隊長のタイヤキ盗み食いしてごめんなさい。
  もうしませんから、雷やんでぇ〜」


雷は止むどころか益々ひどくなる一方だった。
それに見かねた一護は鈴の耳を手で塞いだ。








 「これで、少しはいいだろうよ」
 「あ、ありがとう」
 「別にお前のためじゃねー勘違いすんな。お前の変な声を聞きたくねーだけだ」
 「酷い!!」
 「…雷」
 「ごめんなさい!!」














コイツがこんなんだから俺は一緒にいれるのかもしれねーぜ...










 

最終更新日 2008/03/06