「あっつーい」 「ぶふっ…」 修兵は飲んでいた水を思わず噴出した。 「修兵…汚い」 「お前その格好!?」 「修兵と変わんないでしょ?」 まて、変わるだろ!! 大いに変わるぞ… 男がバスタオル一枚ならまだわかる… お前…女だよな? 確かに隠すべきとこは隠してるけどよ… そういう問題じゃねーんだよ... と修兵の心情なんて知るわけも無いは何もないかのように修兵の隣に座りTVを見始める。 半乾きの状態の髪からはシャンプーのいい香りがする 体からは修兵と同じ入浴剤の香りが漂う。 「ギンさんいなくて良かったな」 「父さんいたらこんな格好してるわけないでしょ?父さん居ない時だけ出来るんだからさ」 「...俺から頼んでいいか?」 「何?」 「服着ろ」 「修兵だって未だにパンツ一丁じゃんか!!不平等」 「男と女じゃちげーだろ?」 「別に違わない」 「ちげーよ」 「もういいよ。…アイス食べる?」 「おぅ」 「アーイス、アイス♪」 は冷凍庫にアイスを取りに行き戻る。 「はい」 「サンキュー」 修兵は嫌でもの谷間に目がいった。 それと、太もも…ミニスカートを履いているような状態にあたるのだから仕方ないといえば仕方ない 「(にバレたら殺される…溝打ちか!?いや…アッパーか…それとも飛び蹴り!?)」 「修兵?」 「…おっ!?」 「アイス溶けてきてるよ?」 「あっ、おぅ…」 「どうかした?」 「別に…///(言えるかよ!!)」 「変なの」 「俺、部屋戻るわ」 「待った!!」 「あっ?」 「これからホラー映画あるんだ!」 「観りゃいいだろ」 「観るんだけど…」 「…コエーのか?」 「別に怖くはないよ!!」 「…でっ、何だ?」 「一緒に観ようかな〜って思って…」 「…いいぜ」 「やったー!!私ホラー映画観るの好きなんだけど、一人で観る気にはなんないんだよね」 「じゃー、俺からの頼みな」 「何?」 「服着て来い。俺も着るからよ」 「わかった」 それぞれ部屋に入ると着替える。 修兵は着替え終わり部屋の壁に寄りかかった。 たくっ… アイツばかだよな… あれじゃー、自ら襲って下さいって言ってるようなもんじゃねーか… 俺もよく我慢したもんだな… 「修兵!!始まる!」 「今行く」 ホラー映画を見始めた二人... は修兵の手を掴む 怖いなら見なきゃいいのにな... 修兵は怖がりながらも真剣に観ているを見た。 心なしか少しずつは修兵の近くに寄って来ていた。 「イギャー!!」 「(…イギャーって何だ…?)」 強く握られた手、正直少し痛かった。 「(もし、俺がいなかったらコイツどうしてたんだ?)」 修兵がいなく、ギンもいない...一人の場合ホラー映画を観るときはどうしているのか少し気になった。 映画が終わるとは少し満足そうな顔をしていた。 「いや〜、面白かったね!」 「…(お前のリアクションの方が楽しかったけどな…)そうだな、明日学校だしそろそろ寝っかな」 「そうだね」 「んじゃ、おやすみ」 「あれ?今日は一人で大丈夫なの?」 「あっ?大丈夫じゃねーっちゃ大丈夫じゃねーけど、大丈夫だぜ?」 「…そうなんだ…。そっか、大丈夫だよね」 俺の言ってる言葉も意味わかんねーが、それ以上にの言ってることもわかんなかった。 多分コイツホラー映画観て、怖くて一人じゃねれねーっていう落ちだろうけど でも、コイツの口から「一緒に寝てくれる?」って聞きてーからな 様子見るか 「んじゃ、おやすみ」 「…おやすみ」 二人はそれぞれ部屋に入る。 修兵は少し期待したことが起こらなかったことがとても残念に思えた。 言わなかった…な ちょっと期待してたんだけどな... まっ、あいつがそういうこと言い出す奴じゃねーのは見たかんじでわかっけど 修兵は部屋の電気を消し、布団に入る。 寝つきが良い方ではない修兵は暫く布団の中で起きていた。 「修兵…起きてる……?」 という声が聞こえてきた。 直ぐ答えるのも面白みがないので、少し放っておくことにした。 「…寝ちゃったよね…」 「起きてるよ…」 修兵は部屋のドアを開けてやった。 そこには枕をギュッ、と握りしめ立っているがいた。 「どうした?」 「一緒に寝ていい!?」 「…あぁ、別に構わねーけど。お前から言ってくるとは珍しいな」 「……だって、お化け出た時一人だと怖いし」 少しだけ見せる弱いところ… そういうことがあっても良い、と思った。 中に入るとダンボールの山を避け、はベッドに座る。 「修兵のベッド大きいね!」 「そうか?」 「うん!私のより大きいじゃん!!」 「お前のが小さいんじゃねーの?それに、これギンさんが用意してくれたもんだしな」 「そうなんだ。多分父さん息子が出来たみたいで嬉しいんだと思うな〜」 「そうには見えねーぞ。むしろ、お前と二人きりになれなくて嫌なんじゃねーの?」 「いや、それは絶対ないね!長年一緒にいる私が言ってるんだから間違いない!!」 「そうじゃなきゃ、ギンさんへの抵抗もつかないってか?」 「そういうこと!!さー、寝よう!明日は早いぜ、旦那」 「そうだな。学校面倒だな」 「おやすみ」 「おやすみ…」 「って、オイオイ何しとるんでぃ?」 「いつものように抱いて寝ないのか?」 「抱く必要ないよね?」 「いいじゃねーか」 「何か…父さんと似てきてない?」 「似てねーよ。お前を抱いて寝ると良く眠れる気がすんだよ」 「嘘だ」 「お前が決めんなよ。………。」 修兵がいきなり静かになっての後ろを見た。 「えっ?何?」 「……お前の後ろ…」 「……後ろ…?ま、まさか……お化け!?」 は反射的に修兵に抱きついた。 「なわけねーだろ」 「修兵!!#」 「ほら、お前コエーんだろ?」 「…」 「俺にくっついてりゃ安心だろ?」 「…そうだけど」 「おら、寝るぞ」 「…なんかしてやられた感があるんだけど」 「いいから寝ろって」 「わかったよ…おやすみ」 「やすみ」 修兵の腕の中ははっきりいって心地よいくらいだ 私だって、良く眠れる気がする …まてよ、何で私修兵には攻撃的じゃないんでしょう? やっぱ他人だから? そうだよね、他人蹴っ飛ばしたり溝打ち食らわしたりして、重症になったらどう責任取っていいかわかんないし... もし、横で寝てるのが父さんだったら確実にぶん殴ってるもんな〜私 父さんて結構可哀想な役目だったんだね。 今気付いた。でも、悪いのは全部そっちだからね!! 私は何も悪くないのさ!! そうさ、正当防衛にすぎないのさ!! 「…」 「えっ!?何?」 「何驚いてるんだよ」 「いや...ちょっと考え事してた」 「考え事?」 「そう。修兵のポジションがもし父さんだったら私ぶん殴ってるなって思った」 「…」 「大丈夫!修兵をぶん殴ろう何て思ってないから。身内じゃないからそんなことできないし」 「(身内だったら俺、今頃墓いきか?)」 修兵は身内じゃなくて良かったと思った。 「修兵なんか言いたいことあったの?」 「いや、お前と寝るときっていっつもお前後ろ向いてるじゃん」 「そうだね」 「こっち向かねーのかなって思ってさ」 「向かないよ」 「向いてくれてもいいんじゃねーの?」 「ヤダ」 修兵の方向いたら顔赤いのバレるじゃん!! 三日続けてだけど...慣れるようなもんでもないし… だいたい、なんでこんなに優しく抱いてくれちゃうのかな? 父さんみたいにグギャってきてくれりゃ、私だって払いのけるのに… 「お前さコチョコチョとか効かねーの?」 「えっ?何で?」 「朝の仕返しでもしてやっかなって思っただけだ」 「そんなこと思わんでエエわ!!」 「ってたまに関西弁入るのな」 「だって、父さんがあぁなんだもん」 「でも、よく普通に喋れるな」 「小さいときにからかわれてから、標準語使うようにしてるんだ」 「そっか。俺は別に嫌いじゃねーけどな」 「それと、父さんと同等で見られるのが嫌だから」 「…なるほどな」 は修兵に言われても、修兵の方を向くことなく寝た。 翌日は修兵より早くに目が覚めた。 横を見るとそこには修兵の姿がある。 初めてみる修兵の寝顔にはカワイイと思った。 布団からはみ出した手をは触ってみた。 思ったよりも大きくて、温かい手 軽く握って見ると、握り返すとともに修兵に引き寄せられた。 |
2008/03/05