「恋次の家久々」
 「この間人の家に忍び込んどいてよく言えるな」
 「あれは仕方なかったんだ!」
 「どう仕方ねーんだ?」
 「お前男の家によく遊びに行くのか?」





修兵が少し心配そうにを見た。





 「男って言っても恋次の家だけだよ!だって、雪ちゃんめっちゃかわいいんだって!!」
 「俺と遊ぶってより、妹達と遊んでるしな」
 「だって、カワイイじゃん。懐いてくれてるし!!きっと修兵にも懐いてくれるよ」
 「お前の家って何人家族なんだ?」
 「7人だぜ」
 「大家族だな」
 「まーな」










恋次の家に着き、玄関を開け「ただいま」という恋次の声を聞くとドタバタと中から走る音がする。



 「おじゃましまーす」
 「お邪魔します」
 「だ!!」




を見つけ飛びついてきた。


 「久しぶり!元気だった?」
 「おぅ!!」
 「姉ちゃんだ!!」
 「雪ちゃんも元気?」
 「うん元気!!そっちのお兄ちゃんは?」








雪は修兵を見て言う。
修兵は雪の目線の高さに合わせてしゃがんだ。








 「はじめまして。檜佐木修兵だ」
 「修兄ちゃん?」
 「おぅ、宜しくな」
 「何お前?の彼氏?」



そう聞いたのはだった。



 「あっ?」
 「違うって!」


を抱きながらが言う。




 「違うの?」
 「違うぜ」
 「なーんだ。だって恋兄」
 「なっ!!お前なんで俺にフルんだよ!!」



幼稚園地にしては少しだけませているが恋次に言う。



 「だって恋兄はのことス…」



恋次はからを取り上げ、口を塞ぐ。


 「私のことなに?」
 「何でもねーよ」
 「私は君に聞いてんの!」
 「いいか、…しゃべったらお前のお菓子全部食ってやからな」







小さき弟に脅迫をする恋次
それ程必死なのだ。






 「修兄ちゃん、抱っこして」
 
 「いいぜ」





雪は修兵に抱っこされてご機嫌だった。
中に案内され三人と二人の子供は居間に移動した。






 「こんにちは」
 「あら、ちゃん。こんにちは」
 「はじめまして、檜佐木です」
 「どうも、恋次の母です。ごめんなさいね、子供達が」
 「いいんですよ!!こんなカワイイ子なんて滅多にいませんからね」
 「そう?ありがとう。恋次ちょっと御母さん買い物に行ってくるからこの子達見ててよ」
 「わかったよ」






母親が出ていったあとワイワイと騒ぎ出す子供達。
そのうち三番目の子が帰ってきた。





 「ただいま〜」
 「あっ、祐君!」
 「だ!!」
 「久しぶり」
 「遊びに来たのか?」
 「うん。祐君も遊ぶ?」
 「今からサッカーの練習あんだ」
 「そっか、頑張ってね!」
 「頑張るな。んじゃ」





裕輔は鞄を居間に置くと直ぐ出て行ってしまった。
裕輔は小学校三年生だ。





 「修兵、のこと好きなのか?」



修兵はから質問を受けていた。






 「そりゃー、好きだぜ」
 「駄目だよ!!は俺と結婚するんだから」
 「もうそんな人生計画立ててんのか?そんじゃ、がどっち選ぶか勝負すっか?」
 「いいよ!!絶対俺選ぶもん!!!恋兄もやる?」
 「やらねーよ」
 「恋兄は脱落な!!とチューしたら駄目だぞ!!」
 「何々?」






の言ってることに耳をかす。






 「、俺と修兵どっちが好きだ?」
 「そうだな〜…君かな」





はニコッと笑って答えた。




 「修兵参ったか!」
 「あぁ、負けちまったな」
 「
 「何?」
 「好きならチューしろよ」
 「おい、いい加減にしとけ」



恋次が眉間に皺を寄せ言う。





 「いいよ」
 「「!?」」
 「目瞑ってね」
 「うん」



に言われた通りに目を瞑る。
はチュッと言って頬にキスをした。




 「恋次いいだろ!!」
 「…良かったな」




 「修兄ちゃん」



雪が修兵の袖を軽く引っ張る。









 「おっ?どうした?」
 「雪ね、修兄ちゃんにキスして欲しい」
 「なっ!!お前らな」



恋次は疲れた顔をした。



 「いいぜ」
 「修兵」
 「いいじゃねーか、なっ?」
 「うん!!雪、修兄ちゃん大好き!!」




雪は修兵の首に抱きついた。
修兵はユックリと頬にキスをしてやる。




 「雪もする!」


今度は雪が修兵のほっぺにキスをした。






 「サンキュー」
 
 「修兵モテモテだね〜」

が修兵に懐いている雪を見てそう言った。





 「雪もも頼むから変なことはしねーでくれ」
 「恋兄、俺がにチューされたの羨ましいんだろ!」
 「んなわけねーだろ」
 「、恋兄がにチューして欲しいんだって!」
 「んなこと誰も言ってねーだろ!!!」
 「へー!そうなんだ。どうしよっかな〜♪」



に合わせて恋次をからかってみる。





 「恋兄、にチューして欲しいんだろ!」
 「だから、誰もんなこと言ってねーだろ!」
 「恋次、子供が言うことに一々怒らないの!」
 「恋次」
 「あっ?」





修兵が恋次を呼ぶ。







 「雪ちゃん寝たみてーだぜ」




雪を恋次に渡す。
恋次は「サンキュー」と言って布団に雪を寝かせた。




 「ちゃんは眠くない?」
 「ちょっと眠いけど、と遊ぶ」
 「眠いなら寝たほういいよ!」
 「嫌だ!!」
 「恋次見たく大きくなれないよ?」
 「…も寝るのか?」
 「うん、寝るよ」






は雪の隣に横になった。
その後ろについても横になる。
が眠りにつくのにそう時間はかからなかった。





 「二人とも寝ちゃったね」
 「お前、寝せるの上手いな」



恋次が関心したようにいった。




 「結構騒いだから疲れてるだろうしね」
 「にしても君お前に懐いてるな」
 「でしょ!いや〜カワイイカワイイ」
 「あんまり甘やかすなよ」
 「は〜い」








今度は三人で盛り上がっていた。


 「そういや知ってる恋次!?」
 「何がだ?」
 「いけない恋愛のこと」
 「いけない恋愛?」
 「そう」
 「昨日は酷い目あったよな」
 「ホント!」





修兵とが勝手に話し始め、話についていけない恋次は面白くなかった。





 「何あったんだよ」
 「誰にも言うなよ」
 「お、おぅ」
 「実はね…」



が昨日、修兵を探していた際に起こった出来事を話して聞かせた。




 「マジか!?…か…なんかあるとは思ったが、まさか生徒に手出してるとわな」
 「ねっ!凄いよね〜。ってか学校だよ!?」
 「学びの場だから色々教えてだんじゃねーの?」




何気に修兵が上手いこと言った。




 「そんなん教わる場所じゃねーだろ!」



すかさず恋次が突っ込む。
も賛同し、首を縦に振る。



 「他にも手出してそうだよな、アイツ」
 「俺もそう思う」




修兵の意見に恋次も乗る。





 「「お前気をつけろよ」」

 「何で私?私なら大丈夫でしょ!!だって、先生はカワイイ人にしか興味なさそうだし。
  それに何かあったら溝打ちをお見舞いしてやるよ!!喰らえ必殺狐殺し!!な〜んて」



























そう安心していたは...




 「、先生なのこと好きなんだ」
 「へっ…へ〜、そうなんですか…ι」
 「先生な、と付き合いたい」
 「お断りします」
 「先生が色んな女子生徒に手出してること、知ってますし。それに…」
 「それに何だ?」
 「私、先生に興味の欠片も持てません。それではさようなら」
 「待て…わかった。僕の失恋は認めよう…だが、心と体は別だ」
 「何...言ってるんですか?」




はその時少しだけ父以外の人に恐怖というものを感じた。





 「そのまんまの意味だよ。君の心は僕にはない...だが体は正直に僕を求めてくれる」
 「…あんた脳味噌大丈夫?良い脳外紹介しますよ?」
 「…いや、、僕は君を愛してる…だからそれを証明したい」
 「普通にキモイですよ?頭可笑しいにも程があります。冗談に付き合ってるほど、私暇じゃないんで」
 「冗談?君こそ冗談を…」




は腕を握られると、の顔が近づいた。






 「僕にはわかる。君が僕を求めてくれているということを…」
 「死んだら?ひょっとしたらバカが治るかもしれませんよ?」
 「酷いこと言うんだね。君はツンデレかい?まっ、嫌いじゃないよ」







何この人!!
どんだけ脳味噌桜満開!?
オメデタすぎでしょ!!!
何なんですか…
いい加減放して下さい…









 「おーい!」



その時修兵の声が聞こえてきた。




 「しゅっ…!!」



に口を手で押さえられた。



 「僕と、二人の時間に他者はいりません」
 「…(何なの!?こんなん教師やってていいんですか!?駄目だろ!!普通に駄目だろ!!
  教育上よろしくないって!!今すぐ退職願い出して消えちまえ!!コンチキショー)」
 「たくっ、の奴どこいったんだ?」




修兵が通り過ぎていく。







 「駄目ですよ。他の人の名前なんか呼んじゃ。僕の名前を言って下さい」
  
 「(テメーの名前なんざ知るか!?)」
 「忠正です。忠正」







何でそんな歴史上人物にいました!
的な名前してんの!?いくら社会科の担当だからって狙い過ぎだろ!!!
つーか誰も聞いてないよ…
あんたの名前なんて一生呼ぶ気ないから…
お呼びじゃないから、どっか行って野たれ死んじゃってみて下さい。
さんあなたの死ぬ姿見てみたかったんだ〜
その好きと言ってる人からのお・ね・が・いvV
……死ね………









 「さーて、ここからがお楽しみですね......……!?」
 「ワリーな、はお前なんかに渡せねーよ」
 










 

 

2008/03/05