翌日と修兵が目を覚まし、リビングに行ってみると、ギンはまだ眠りについていた。 「まだ寝てるよ」 「疲れてんだろ。寝せとけよ」 「大丈夫!!起す気なんてサラサラないから!!!私が平和に過ごせる朝はコイツが寝てる日なんだからね! そんな平和を自らの手で壊すなんてことするとでも思う?」 「思わねー」 「でしょ?いっそうこのまま窒息死してくれれば...」 「…」 に取り付いている悪魔を修兵は目撃した。 「それじゃ、朝御飯食べて学校に行きますか」 「そうだな」 二人が朝食を取っていると、リビングから叫び声が聞こえた 「!!」 と聞こえたかと思うと、が座っている直ぐ横にギンがいた。 「うわぁっ!?…瞬間移動!!」 「〜どっこも行かへんよね?」 「学校行きますけど…」 「ボクから離れへんよね!」 「何急に…ι」 「さっきな夢みたん」 「それで、どんな夢?」 「がな阿散井君と一緒にハネムーンに行ってまう夢や」 「ハイハイ、良かったね」 「良かないわ!!はボクと結婚するんや!!!」 「寝言は寝て言え! ほ〜らもう一回寝ておいで、そうすればきっと良い夢見れるからさ」 「せやね、まだ時間多いにあるし寝るわ。も一緒に寝ようやvV」 「…ハウス!!」 がそう言って寝室を指すとギンは走ってその中へと入る。 修兵は犬かよ…と思いつつ、手馴れたの対応に感心した。 「なんか現実味のある夢見たんじゃねーの?ギンさん」 「現実味ないでしょ。だって恋次とだよ」 は可笑しそうに笑って言った。 「お前恋次のこと本当に好きじゃねーのか?」 「えっ?友達としては好きだよ」 「…友達としてな……じゃー、俺と恋次どっちが好きだ」 「えっ……」 修兵は真っ直ぐにの目を見つめる。 その修兵の表情からして冗談には見えない。 が、どう答えていいかわからなかった。 「...おら、さっさと飯食え。学校遅れちまうぞ」 「ちょっ!!待ってよ!!!」 は先に鞄を持って出て行った修兵の後ろを追った。 学校に行ってもは朝の修兵の言葉が放れることはなかった。 修兵が冗談という顔で言えってくれれば悩むことなんてなかったのかもしれない。 修兵よりも先に家に帰り、リビングのソファーでクッションを抱きしめテレビを観ていた。 テレビを見ていたというよりは、テレビは只点いていただけ 暫くの間ボケーっとしていると、修兵が帰ってきた。 「ただいまー」 という声、そしてその声の主はこうも悩ましてくれている張本人ときたものだ。 ギンは会社に行っていない今は少しだけ二人になるのが嫌だった。 気まずい雰囲気になってしまうとわかっていたから... 「お、おかえり…」 「何どもってんだ?」 「別にどもってなんかないよ!」 「ホラー映画一人で観てビビッたんじゃねーの?」 「観てないから...」 「お前、俺を置いて先に帰っただろ」 「別に帰る約束してないじゃん」 「そうだけどよ、毎日一緒に帰ってんじゃねーかよ」 「そうだっけ?」 「あぁ...お前今日変だったな。って、今も変だけどよ」 「変って!!失礼な」 修兵は鞄を床に置くとの隣に来てソファーに座る。 は何となく修兵から少しだけ離れるように座りなおした。 「お前俺を避けてるだろ?」 「そんなことないよ」 「いや、避けてるな…」 修兵はの頭を撫でようとしたがはひょいっと交わした。 すると何を言うわけでもなく、修兵は苦笑いした。 「俺はあいつに負けたってことだよな」 「あいつ?」 「恋次」 「恋次に修兵が負けた?何か勝負してたの?」 「ちげーよ。今朝言っただろ。俺と恋次どっちが好きか…それでお前真剣に悩んでたんだろ」 は見事図星を突かれた。 どうしてこうも簡単にわかってしまったんだろうという疑問が残った。 「べ、別に悩んでなんか」 「顔に出るんだよ。お前が悩んでるときはココ(眉間)に皺が寄るんだよ」 修兵は眉間をプイッっと人差し指で突く。 「気にすんなよ。最初からわかってた。お前が恋次のこと好きってことはな」 「違う…」 「無理すんなって。俺に気ぃ使うなよ」 「わかんないんだよ私...恋次のこと好きだよ。でも、修兵も好き… まだ会ってからそんなに経ってないのに、色んなこととか話せるし... 一緒に寝てる時も最初はビックリしたけど、今は心地いいし...ドキドキするし」 「サンキュー、悩ませるつもりなんて無かったんだけどな…俺はが好きだ」 「修兵…」 修兵はを自分の方に抱き寄せる。 「お前に会ったときから...ずっと好きだ」 「…私も修兵のこと好き…」 二人は唇を重ねる。 離れた二人の間には銀色の一本の糸が繋がっていた。 「多分…このままだと俺ヤベーんだけど…」 「ヤバイって?」 「俺の部屋行っていいか?」 「…」 は顔を赤らめ、コクリと頷く。 修兵はそれを確認すると、を横抱きにし持ち上げ自室へと姿を消す。 修兵の部屋に入った二人、修兵はまずをベッドに座らせた。 「あのね…」 「あぁ?」 「私…こういうの初めてだから…何て言うか…」 「あぁ…」 修兵はの横に座り軽く頭を撫でた。 は修兵の顔を見上げる。 優しく微笑んでくれている修兵の顔を見ると少し安堵した。 迎えあった二人は互いに抱き合う。 そしてキスをする。 最初は浅く...段々深く... 修兵はの体をベッドに寝せるように、ユックリと倒していく。 修兵の舌はの口から離れ、徐々に下へと進行していく。 首筋にキスを落とすと、の首には赤いマークが刻まれる。 起用に修兵はが羽織っているものを脱がす。 「修兵…」 ブラを外そうとしたとき、は待ったをかけた。 「どうした?」 「…恥ずかしい///」 「大丈夫だ」 「だって、私…小さいし…」 「そんなんどうでもいいじゃねーか」 「修兵…」 修兵は顔を再びの顔に近づける。 そしてを起き上がらせた。 それに対しは疑問を持った。 「どうしたの?」 「見られんの恥ずかしいんだろ?」 「じゃー、こうして抱いててやるよ…そうすりゃ俺には見えねーよ」 「ありがとう…」 「て言っても、俺の理性が保つ限りの話だぜ?」 「修兵なら大丈夫だね」 「その根拠はどっからくんだ?」 「勘?」 修兵は苦笑した。 「当てになんねーな」 「失礼な!!」 「でも、俺はお前が良いっていうまで待つ…」 「...ありがとう」 この日修兵の体温が心地よくなり、は寝てしまった。 そのため、修兵もそのまま床に就いた。 翌日目を覚ましたは少しだけ硬直していた。 「…私…」 「してねーよ」 「だよね〜」 「お前が寝たからな」 「アハハハハ…ごめんなさい」 「…良いって。無理にしてもらいたくもねーしな」 「ありがとう」 「それに、今日は土曜で休み、明日も日曜…支障ねーのって今日あたりじゃねーの?」 「…やる気満々なことで…」 「そりゃ……好きな奴となら」 「私も好きだから、気にしないでね」 「おぅ」 「痛いのは嫌だけど…」 「そういや、昨日ギンさん帰って来たか?」 「知らな〜い。平和ってことは帰ってきてないんじゃない?帰ってこないなんて珍しくないからね放置よ放置」 「…お前結構酷いよな」 「そう?」 「取りあえずだな、服着ろよ?///」 修兵はに服を渡す。 「!?///見た!?」 「そりゃ…/// 見えんだろ」 「エッチ!!」 「お前の方エッチだろ」 「どうして?」 「昨日のお前の声の話だ」 「・・・。そんなん覚えてない///」 「お前が忘れても俺は忘れねーから」 「忘れていいよ?ってか忘れろ!」 「死んでも忘れねーから安心しろ」 「それじゃ、死んでも死に切れないじゃん!!」 と話していると、部屋の扉が開いた。 |
2008/03/05