「恋次じゃねーか」 「修兵…ってお前なんで裸……」 恋次は昨日が一緒に寝た という言葉を思い出してはっとした。 「修兵誰?…恋次!?こんな朝っぱらから何しに来たの?」 「差し入れ…」 「マジ!上がって上がって!!」 恋次は修兵を軽く睨むと部屋に上がる。 「(俺…睨まれた?……あいつもしかして勘違いしてんな。まっ、この格好じゃ否定しても逆効果だろうけど…)」 修兵は恋次が嫉妬していることに気付いたのだが、 それはそれで面白いと思った。 修兵は一端着替えてからリビングに来た。 「お前今起きたのかよ」 「そう。まー、修兵に起されたんだけどさ」 「…」 「なんだよ…(また睨まれたな)」 「何でお前さっき裸だったんだよ」 「寝起きだったしな。パジャマで出れなさそうだったから俺が出た」 「まだ私寝てたかったのに…」 「お前寝すぎなんだよ」 「そう?だって昨日父さんで疲れたんだもん」 「バラか?」 「そうバラ」 二人の話についていけず、ただ面白くなさそうに視線を逸らして聞いていた。 「見てよ恋次」 はギンの寝室を開ける。 すると、そこには一面に広がったバラがある 「うわぉ!?これどうしたんだよ!!!」 「昨日父さんが花園〜とか言って、バラ園からぱってきたんだってさ」 「…おい…これ…親父さんか?」 バラに埋もれて眠っていたのは、早朝出勤でとっくに居ないはずのギン… が何故かまだここにいる 「と、父さん!?何やってんの!!!!会社は!?」 「…」 「もしかして、昨日のお前の一発で…」 「ま、まさか…だっていっつものことだよ?」 「いや、動かねーのは流石にヤバイんじゃねーか?お前の親父さん」 「……おーい、父さん」 「ギンさーん」 「父さん!?ホントにあの世逝ったの!?」 「ー!!」 といって飛びついてきた。 「!?」 「死ぬかと思ったわ〜」 「放して…」 ギンはの頬と自分の頬をスリスリとする。 「やめっ!!気持ち悪いから…」 「から来てくれはるなんて、父さん嬉しゅうて泣けるわ〜」 「だから…放せ…#」 「いやや〜、せっかくベッドあるんやしやることやらなアカンでしょ?」 「どうしてそうなる…なんであんたは全部そうなのォォ!!」 「だって、のこともっと知りたいんやもん」 「十分あんたは知ってるでしょ!!」 「中までしらへんもん」 「中までしらなくていいだろ!!お前は何か?私の脳みその細胞一つ一つ調べあげたいのか!?#」 「それもエエな」 「ちょっ…ほんとにやめて…」 「もう無理やvV」 「どこ触って……アァン」 「「!?」」 もちろんそれを目の当たりにされている二人も反応しないわけもなく... 「もっと声出しや」 「父さん止めてぇ…ヤッァ」 「ギンさん!!止めてくださいよ!!」 「そうですよ!!娘に何してるんですか!?」 「君ら出て行ってくれへん?の声誰にも聞かせる気あらへんから」 「恋次はを!!俺はギンさん止める」 「おぅ!」 おめーらなんて良い奴なんだ!! これぞ男の友情だ!!! 修兵はギンを押さえその隙に恋次がを救出する。 は涙目でギンを睨んだ。 「サイテー…」 はそう言って自分の部屋に行った。 「ボクの!!」 「ギンさん、これは怒りますよ」 「修兵君は口出さんといてくれはる?」 「そうもいきませんよ」 「の声聞いて良いと思ったんボクだけやないやろ?」 「あんなの声なんて…俺は聞きたくねーよ……」 恋次はリビングに移る。 「ギンさん…あとは俺達の任せて仕事行って下さい。あと、帰ってきたらちゃんと謝ってやって下さい。 あぁ見えてもギンさんのこと一番思ってるのはですし」 「わかっとるわ…ボクやて好きでこないなことしてるんやない…」 「…どうしての嫌なことするんですか?」 「もう直ぐ大学行くやろ?せやったらボクの傍から離れるやん... そんなん急に離れられへんし、かてそうやと思う...せやったら今から嫌われてすんなり出てってもらった方、楽やわ。 あとは頼んでだ。今日と明日は帰られへんから。に手出したら殺すで?」 「…はい」 ギンは修兵にそう告げると会社へと急いだ。 リビングに戻った二人はソファーに腰掛け、話すこともなく沈黙が流れた。 「…俺帰るわ」 「に話あったんじゃねーのか?」 「別に話なんてねーよ」 と言っているとがヒョッコリ現れた。 怒っている様子はなかった。 「お前大丈夫か」 「あ〜…うん、大丈夫」 言葉に詰まるとき それはが大丈夫じゃない時ということは昔からなので俺は知っていた。 そりゃ、そうだよな... 同級生の前であんなことされて... 嫌じゃねー方が可笑しい 「父さん行った?」 「あぁ、今日と明日は仕事で帰れねーみてーだぜ」 「そう…」 「おら、差し入れでも食って元気だせよ」 恋次が先程持ってきたビニール袋を渡す。 「ありがとう、鯛焼き?」 「おぅ」 中には4つ入っている。 一つはの、もう一つは自分の 嫌だったが、もう一人分は修兵の、そしての父の分だった。 「俺のもか?」 「あぁ、仕方ねーからな」 「サンキュー」 三人は食べ始めるがやっぱり空気は宜しくなかった。 「さっきの…引いたでしょ?」 「あぁ?」 「何がだ?」 「いや...父さんが私にしたこと?」 「引いたってか…お前本当にヤベーんじゃねーの?」 恋次がバラだらけの寝室を見て言う。 「未遂は何回かあるんだよね〜。今日はまだマシかもしんない…」 「これでマシなのかよ!!」 「したことはないよ!!」 「「あたりめーだ!!」」 「今度からは俺もここにいるからいいけどよ…」 「そういや…お前と一緒に寝てんのか!!」 恋次が思い出したかのように修兵に詰め寄る。 「まーな」 「まーなって…お前を!!」 「恋次、そんなにムキになんないでよ」 「ムキになるなっていったって、お前!」 「何かあるわけでもないし」 「だってコイツ今日の朝...裸だったじゃねーか」 「俺は寝るとき裸なんだよ」 「がそんな奴だったとはな…」 「恋次…あんた父さんの病気移ったんじゃないの?別にやましいことしてないから」 「…本当か?」 「「本当です」」 「ってか、何でそんなに気にするの?別にどうでも良いっちゃ良いことじゃない?」 「よくねーよ!!」 「?」 「なんつーか…その……」 「おっ!そうだ。恋次、俺の部屋片付けるの手伝ってくれねーか?」 「はぁ!?何で俺が手伝わねーといけねーんだよ」 「手伝えば俺はと一緒のベッドで寝なくても大丈夫になるんだけどな」 「何!!」 「それに人数多い方が早く仕事も終わるでしょ?」 「よし、やるぞ!!」 修兵は単純だな〜と思ったが面白いので良いとした。 二人より三人が早い... というのは本当で夕方頃には片付けが終わっていた。 「恋次サンキュー」 「さっすが、恋次!!仕事早いね〜」 「まーな、俺そろそろ帰るな」 「夕食食べてけば?手伝った御礼と折角きてくれたんだし」 「妹と弟達が待ってるし、帰る」 「そっか、よろしく言っといて」 「おぅ、それじゃーな」 「ありがとうね!」 見送るとキッチンへ向かい夕食を作り、出来上がると、出来立てホヤホヤの夕食を食べる。 後片付けをし終えと修兵はリビングで寛いでいた。 「毎日思ってたんだけどよ」 「何?」 「お前長風呂だよな」 「そう?」 「俺、先に入っていいか?」 「いいよ。入浴剤入れ忘れないでね」 「わかった」 数十分して、修兵が出てくる。 「上がったぜ」 「…レディの前でなんて格好を…」 「風呂上りはパンツ一丁じゃねーの?」 「…私女。Do you undeerstand?」 「Oh, I don't know.って冗談だよ。アチーんだよ仕方ねーだろ」 「まっ、別に気にしないけどさ。私入ってくるね」 「おぅ…」 と思って修兵は照れくさそうに苦笑した。 が風呂場から出てきたのは1時間過ぎのことだった。 |
2008/03/05