俺には好きな奴がいた。 でもそいつは、王族。 五大貴族である俺だって手の届く存在じゃねー... そう、相手は王族だ... 偶に会えるだけでもスゲーことだしな... だが、好きな事実には変わりない... それを伝えなくては何も始まらない... だから俺はこの気持ちを伝える、あいつに 「海燕、何してんの?」 そう俺に話しかけてくるのは、思い人 「星見てたんだよ。お前こそ何やってんだよ、」 「散歩。それにしても、隊長に向かってそんな口の聞き方しちゃって良いのかな〜、海燕くん?」 は海燕の頬っぺたを引っ張る。 「いってー!!…お前が礼番隊の隊長出来るなら、俺にだって出来そうなのにな」 「何?その言い方は...こう見えても大変なんだからね!」 海燕は苦笑した。 「何か面白いことでもないかな〜」 は海燕の隣に座る。 その時、何かの気配を感じ、二人は付しろを振り返った。 「様、このようなところで何をなさっているのです!?早く王宮に戻って頂かなくてはなりませんぞ!!」 「戻る気ないから」 「様!!結婚相手が見えているのですよ!冗談を言っている暇ではありません」 正直俺はビックリした。 …なんだよ...結婚相手って…聞いてねーぞ 「結婚する気なんてないし。それに結婚相手くらい自分で決める」 「そのような我が侭言ってはなりませぬ」 「おい、じーさん」 海燕が口を挟む。 「結婚相手なんて自分で決めるもんだろ...テメーラが勝手に決めていいもんじゃねー」 「貴様には関係ありませぬぞ。これは我々王族のこと...他貴族が口を出すことではありませぬ」 そう言った、王族所属執事に向かっては立ち上がり、そいつに向かい 「貴様だって王族の血が通ってるわけじゃないでしょ?じゃー、あんたも私のことに口出さないで これは当事者である私の問題。誰かが決めるもんでもない。父上に伝えなさい、 私は婚約者に結婚する気もないし、会う気すらないってね」 それだけ言うと、はどこかへ歩いて行った。 その後ろを俺が追う。 聞きてーこともあるしな... 「おい、結婚ってどういうことだよ」 の肩を掴み海燕は自分の方に向かせる。 「アレ?言ってなかった?勝手に決められた婚約者のこと」 「あぁ、聞いてねーよ」 「まー、そのまんまなんだけどね。小さいとき...一歳くらい? 親同士で勝手に決めたって奴ですよ。 ありがちな話なんだけどね。でも私会ったこともなければ顔すら知らないし...それに好きでもないのに結婚なんて 絶対変だと思うんだよね。その人可哀想だしさ」 は俺から視線を外し、再びユックリと歩き出す。 「別にそれでいいんじゃねーのか?」 「?」 「好きな奴と結婚すりゃーさ...それはお前が決めることだろ?誰かが決めることじゃねーし」 は軽く微笑んだ。 「そうするつもり。海燕、あんたもそろそろこういう縁談話くるんじゃない?」 「どうだかな...きても断るけどな」 「そっか」 以外の奴限定だけどな… 俺もさっさと言っといた方いいかもな、俺の気持ち 「なー」 「何?」 「俺、お前のこと好きだぜ」 「何、冗談ぬかしてんの?」 はケラッっとした顔で海燕に笑顔を見せた。 「マジだぜ俺は……伝えるだけ伝えたからな...」 「じゃー、結婚する?」 「ハッ!?……俺は別にいいけどよ......」 「行き成りなんて無理だよね。結婚前提としたお付き合いからってことでどう?」 「おぅ、よろしくな」 「よろしく!じゃー、早速父上に報告に参ろうか?」 「早っ!! ってか今日婚約者来てんだろ?」 「うん。ついでに振っちゃえるし、一石二鳥!!」 はVサインを海燕に見せた。 それを見た海燕は少し顔が引きつった。 「なんつーか………えげつねー」 と思いつつも嬉しい海燕だった。 俺の言葉伝わってよかったぜ… |
2008/03/05