カラン
コロン
私は下駄の音が好き
あの音は耳に馴染む
何より、私の好きな人の音
「どうしたんです、さん。隊舎の前で突っ立って」
喜助はをの近くに来ると笑ってそう聞いた。
「別に突っ立ってたわけじゃないですよ!
その音が聞こえたから執務室から出てきたんです」
は喜助が履いている下駄を指差した
喜助は穏やかに笑いの頭を軽く撫でる
「ホント、さんは下駄の音好きっすね」
「ただ単に下駄の音が好きなわけじゃないですよ。
喜助さんが出す下駄の音が一番好きなの」
そういうと、喜助はニッコリと笑う
喜助の下駄は昔から使っているため少し汚れている。
だが、その下駄からは他の下駄からは出ない音を奏でてくれる。
「要するに、アタシを迎えに来たんですよね?」
「まー、そうですけど...」
「それじゃ、戻りましょうか?アタシとさんの楽園へvV」
の目の前に手を差し伸べる
「…いつから執務室が楽園に変わったんですか!?」
「何言ってるんスカ?執務室じゃなくて、実験室ですよ!」
喜助は得意そうに人差し指を立てて言う
「...遠慮しておきますι」
は喜助に手を取られ引っ張られる。
「ほら、行きますよ!」
実験室へと消える二人...
そして、
「ギャー」
っと叫ぶ声が一つ...
そこで何が起こったのかは、二人しか知らない...
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