やばい...

 遅刻するー!!













只今道路を爆走中のさん遅刻決定!



誰にもバレずに校内へ侵入成功したは校内に入ると一本の大きな木を登り始めた
建物の二階部分まで登ると足を止める
そこは丁度の教室の前







 「よーし、って窓閉まってるし...」







が気に潜んでいるなんてことは知らない教室では授業が行われている
の前の席の男の子に目をつけた






 「…。誰だよアイツ」









今日来た転校生を知る筈もない
その子は窓の外も見て驚いた
は必死で口に人差し指を当て「シー」と言う










 「どうした吉良?」
 「何でもありません」








の担任兼国語教師志波海燕
彼は中々鋭い
は木の陰に隠れて海燕が後ろを向くのを伺っていた





 「(見つかったらまた説教だよ)」







は見たことない自分の席の前にいる男の子にジェスチャーで窓を開けるよう伝える
吉良は言われたとおりの席の窓を開ける
は海燕が黒板に字を書いているのを確認し、その隙を見て窓から教室の中へと侵入する







 

 「それで、。何してんだ?」








ニッコリと笑い、青筋を浮かべ教卓からを見る海燕
その顔を恐る恐る見るは動きを止めた






 「…おはようございますι」
 
 「たく、そんなとこにいねーで教室入れ」













が何処で止まっていたのか、
というと、木と窓を跨いでいる状態











 「はーい。・・・?」










強い風が吹いたためバランスを崩す






 「!?」






教室にいた誰もが驚き自分の席を立った
海燕が慌てて駆け寄り万事休すでの手を掴んだ











 「・・・・ι」
 「大丈夫か!?」
 「なんとか…」










は苦笑しながら海燕を見上げた
海燕はを引っ張り上げ教室の中へと入れてやる












 「ありがとうございます。はぁ〜死ぬかと思った」
 「おら、行くぞ」
 「どこにですか?」
 「保健室」
 「大丈夫ですよ!これくらいの傷」
 「生徒指導室にも来てくれるんだよな?」
 「アハ...アハハハハ...」
















は親友の桃に見送られ海燕の後について行く
さっきはそれほど痛みもなかった掠り傷が少し痛み出す
保健室に行くの正解だな〜
と考えているうちに保健室へと着いた
躊躇いもなくドアを開けて入っていく海燕
しかしそこはものけの空だった












 「誰もいねーのか」












勝手に入っていいんですか―――!?














 「ほら、そこに座ってろ」











そっことは背もたれがない丸く小さな椅子のこと
はそこに座り一つ溜め息をついた










 「若者が溜め息ついてんじゃねーぞ。傷見せてみろ」
 「ちょっと!先生が手当てするんですか!?」
 「ワリーか?」
 「…悪いとか悪くないとかそういう問題じゃなくて、
  
  大丈夫なのかな〜って思ったり…」

 「喧嘩売ってんのか?」
 「いいえ!滅相もございません!!」
 「俺は何しても万能なんだよ」




 それ自分でいいますか?ι











海燕は消毒液で傷の周りを消毒していく
手つきは慣れていた







 
 「いっ…」
 「これくらい我慢しろよ」
 「わかってますよ」
 「オラ、終わったぜ」








全三箇所にバンソウコウを張っていく









 「ありがとうございました」
 「一応女なんだからよ、あぁいう入り方は止めとけ」
 「今更ですけどね。ところで先生?」
 「あぁ?」
 「私の前の席の人誰ですか?」
 「アイツは今日転校して来たからお前知らねーもんな」
 「はい、スイマセン」









遠まわしに嫌味を言われ謝る













 「吉良イヅル。頭良いみてーだぜ。前の学校の成績見た限りだとな」
 「へー」
 
 「そんなことより...お前は何遍言ったらわかんだ!#
  今月は行って半月も経ってねーってのに六回も遅刻はありえねーだろ!!」











保健室で海燕の説教が始まった
行き成りの怒声には目を瞑った









 「たくっ、もう遅刻すんじゃねーぞ」
 「はい、ってもう終わりですか?」
 「あぁ、それとももっと怒られたいのか?」










は首が吹っ飛ぶくらい横に振った













 「いつもより早いなって思っただけです」
 「毎日こうだと言うこともなくなるっての」












ガクリと方を落とす海燕を見ては苦笑いをする他無かった


















 
 「そういや、お前だけ進路の紙出てねーぞ」
 「白紙でいいなら今直ぐ出せますよ!」
 「バカ。ちゃんと考えろよ。自分のことなんだからよ」
 「・・・」
 「ちなみに機嫌は一昨日までだったけどな」
 「アハハハι」
 「まっ、ちゃんと決まってから出せよ。期限は設けねーから」
 「…はい」
 「よし、戻っか。次の授業遅れんじゃねーぞ。それと俺の授業の補講設けてやっから有り難く受けろ」
 「・・・はい」










進路どうしようかな〜
補講嫌だな〜



と思いつつ次の授業を受けるため保健室を出る





















2008/03/06