その日の放課後、構内で暴力事件が起こったらしい...











 「また明日!」


 「またね」










桃と別れを告げ廊下に出るはそこで教師に捕まった。











 「黒崎、ちょっと来い」












生徒指導の宮川だった。

嫌いな教師ランキング上位者だ。









 「何ですか…」


 「来いと言ってるんだ」








宮川はを無理矢理生徒指導室へと連れて行った。












 「放して下さい」

 
 「さっき校内で暴力事件があってな。お前だろ」

 
 「はい?私帰ります。だいたい今まで桃といたんだからそんなこと起こせません。それでは」















帰ろうとするとそうしようとさせない宮川。













 「もう少しマシな嘘をつけ。被害者は、犯人は女だって言ってるんだ。

  お前以外考えられないだろ」


 「なんでその女=私なんですか?」

 
 「校内でお前以外に暴力振るう女はいないだろ」


 「最低ですね先生。私じゃないって言ってるじゃないですか」


 「嘘をつくのもいい加減にしろ!!」













宮川はを犯人だと思い込み、を大きな声で怒鳴る


コン
 コン












 「失礼します。犯人こいつじゃないですよ」










そこに海燕が入ってきた。









 「先生・・・」








は海燕の姿を見てそう呟いた。











 「ということなので、コイツは帰しますんで」










海燕はをドアの方へと呼ぶ。

が来ると頭をワシャワシャと撫でてやった。











 「待て!じゃー誰がやったと言うんだ!!」


 「職員室に行けばわかりますよ。

  それと、勝手に俺の生徒を犯人扱いするの止めてもらえません?

  罪もね-奴が罪被せられた時の気持ちあんたわかんのか?」


 「いいよ先生…」











はそう言うとさっさと生徒指導室から出て行く。

海燕もそれにつづいて出て行った。

生徒指導室を出て少し行ったところで二人は立ち止まった。










 「悪かったな」


 「先生が謝る必要はないですよ!悪いのはあの教師ですから!
 
  いつかぶちのめす!!」


 「そんじゃ、俺の分もとっといてな」













の頭に手を乗せニィっと笑う海燕












 「アハハ」











と楽しげに笑うのはだった











 「ありがとうございました!」


 「おぅ、明日から特別補講だから楽しみにしとけよ」


 「は〜い。さようなら」


 「んじゃな、気をつけろよ」


 「姉貴ィー」












後から一護が橋って来た。

海燕に少し頭を下げ通り過ぎるとの横に行き走るのをやめる









 「一護ォ、帰ろう帰ろう」

 
 「お前さっき教員に連れられてたろ、何があったんだ?」


 「あんたさ、姉に向かって”お前”ってのはどうかと思うよ」








は一人で頷いて納得する







 「んなことより、何あったんだよ」


 「まー、いつものことですよ。いつもの」












のいつものこととは、宮川に罪をなすりつけられるといったところだ。











 「またかよ…」


 「大丈夫!いつかぶっ倒すから」









は一護に笑って見せる。


そんな仲良く帰る姉弟の後姿を見送り、職員室へと戻った。




















それから数日が経ち、何事もなく平和に一学期を終了しようとしていた。








そんなやさきに事件はやってくるのです…














 

 

08/03/06