act.2








私は聞き覚えのある声を聞き目を開いた








「「「あ"ー?」」」





私は一瞬の隙を見て恋次のところへと逃げた





は少しバランスを崩した






「大丈夫か?」



「うん」





俺にはの声が嬉しそうに聞こえた





「ちっ、行くぞ」



三人は走って行った





そして俺は今...彼女を抱いている・・・





「ありがとう」



「別に大したことしてねーし」



「私の恩人だよ」



ニッコリと笑って言った




恋次には見えなかったが...





「・・・ごめん...私」



は腕を回していた手を解いた




「わり…」




「そうだ!お礼しないとね」




「別にいらねーよ」




少々驚いたんだけどよ...





「お礼しないと私の気が済まないよ。何がいい?」




恋次は頭を抱えながら考えた





「(お礼…付き合ってくれなんて…いえねーしな…。どうすっかな・・・おっ!)そうだな、アドレス教えてくれねーか?」



「じゃー、はい」



「サンキュー」



「本当にこれだけでいいの?」


「あぁ」





「あっ!パン潰しちゃった・・・」




恋次がを抱える際に潰れてしまっていたのだ





「私払うね」



「いや、別にいい(アドレス教えてもらって、パンまで奢ってもらうことまではできねーだろ)」




「じゃー、それ私にくれる?」



「?」



「私のお弁当代わりに食べて」



「!?・・・いや、俺はこれで「お願い。だって私が悪いんだから。大丈夫!量は結構あるから。戻ろうか」



「おぅ」




教室に戻ると皆心配そうに見てきた








、あんた大丈夫?何もされなかった?何があったの?」




即効質問攻めにあった






「ちょっと一遍に質問しないでよ...後でちゃんと話すから」



「わかった」






は鞄の中からお弁当を取り出した





「そういや、何でパン持ってるの?」




「それも後からね」



そう言うと、は恋次の方に歩いて行った






「さっきはごめんね。はい、お弁当。味の保障はないけどね」




「ありがとう…」




恋次はそれを受け取った





ちゃんって自分で作ってんの?」



柴田がに質問する




「うん」


それだけ答えるとは自分の席へと戻った









「でっ、何があったの?」




「あれから…」





は友達のゆきに話し始めた








一方手作り弁当を食べようとしている恋次






「早く開けろよ」



柴田が急かす





「おぅ...」





何故だか恋次は少し緊張していた



恋次の周りには人だかりができていた







二段弁当の上を開ける・・・



すると、そこにはぎっしりと綺麗に並べられたおかずが彩っていた




「スゲー美味そう…」



俺はそう呟いた





周りのヤツは、




「うらやまシィ〜」



などと嘆いていた





卵焼きを一口食べる...






「ウメー」



そう叫んだ







そう叫んだ恋次君の声が聞こえた私は良かったと思った






その時には既に私はゆきにあったことを全て話し終えていた





「へー阿散井君やるねー」



「かっこよかったよ」



と言いチラリと私は彼の方を見た







恋次君は食べ終わったのか私の方にお弁当を持ってきた





「美味かった。・・・どうもな」



「おいしいって言ってもらえて良かった」




私はそれを受け取ると鞄へ仕舞った






「阿散井君やるね〜」



ゆきがそう言ってちゃかした





「・・・見てみぬ振りなんか出来ねーだろ」



「男だねぇ」



「うるせー」




照れ隠しにそう言った