「おはよー」



と言っての背中を一叩き


「おはよう。はるか」



登校途中のいつもの道で二人は話しながら学校へ向かう。



「あっ!阿散井先生おはようございます!!」



はるかが元気よくあいさつをする




「おぅ」


「おはようございます」


「おはよ」




とはるかの隣を恋次が歩く





「先生私ととの態度違わない?」


「はぁ〜?訳のわかんねーこと言ってんなよ。俺ははるか意外の生徒には均等だ」


「それ差別!」




はるかが叫ぶ




「(仲いいよな〜…)」


「ねっ、


「…はい!?」


「お前に振ってんじゃねーよ」


「(私は名前で呼ばないの?)」





はいつ頃からか恋次のことが好きだった





「おーい!はるか」




そうはるかを呼んだのは彼氏だった




「おはよ〜」


「おはよ」


「それじゃー先に行くね。ごめん!先生なんか大っ嫌いだからね」





と笑いながら彼氏と手を繋いで歩いて行った





「あいつ彼氏いたんだな」


「知らなかったんですか?」


「あたりめーだ(先こされた…)」





恋次と二人きりのは内心ドキドキしていた





「お前付き合ってる奴いねーのか?」


「いませんよ。どうしてですか?」


「いや、別に。いたら二人きりで歩いてるの見られるのヤベーと思っただけだ」





少し沈黙があった





「先生は?…」


「?」


「好きな人いるんですか?」


「!?」





恋次はバレない程度に顔を赤くした





「いねーよ...(...お前だよ...とも言えねーしな...しかも生徒だぞ)」


「いないんですか!?」


「何だよ...その驚き方は..」


「付き合ってる人いると思ってたので意外でした」


「…悪かったな。でっ、お前はどうなんだよ」





私は体に熱が帯びてくるのを感じた




「います?」


「"?"ってなんだよ」


「ん〜…私の好きな人はですね、好きになってはいけない人なんですよ」


「・・・。わけわかんねーよ」





恋次が苦笑する





そうしているうちに学校へと着いた






「それでは」


「おぅ。理科の宿題出しとけよ!っつても明日までだけどな」


「!」


「どうした?」


「忘れてたー!!どうしよう...あ〜最悪...」


「明日までだって...なっ?」


「私…理科苦手なんですってば!」


「...しょうがねーな。放課後教えてやるよ」


「本当ですか!?」


「嘘ついてどうする...」


「それじゃーお願いします!」


「おぅ。放課後、理科実験室に来い」


「はい」







私は今日の授業を楽しみながら出来た気がした










放課後・・・









「(阿散井先生と二人きり〜♪)」




は軽い足取りでそこへ向かった



「(鍵開いてる...もう来てるのかな?)」



はノックした




「失礼します」




一歩足を踏み入れると、の動きを止めるには十分過ぎる程の光景を見た











「・・・」



は手に持っていた鞄を落とし、その場から走り去った



?」


「(…私ついてない…なんでよりによってこんなとこで………鞄忘れた〜(泣))」



取り合えず教室まで走った


数分後、足音と共に恋次が来た




...ハァハァ...どうした?」


「…いえ…(先生が生徒と抱き合ってて…なんて言えないよ…)」


「ほら、行くぞ。教えて欲しいんだろ?」


「......はい」


「さっさと戻るぞ」


「そっ...そうですね...」




無言のまま理科実験室へと行った




恋次は先程が落とした鞄を拾い上げる





「ありがとうございます...」





私が入ると女性らしき人が立っていた


おそらくさっき阿散井先生と...




「・・・」





は足を止めた




「…どうした?」


「いっいえ…」




恋次はその人の方へと行くと入り口まで抱えて来た...




「…まっ...マネキン!?」


「おぅ。家庭科室の一時的に置いといてくれっていわれてな」


「(そうだったんだ。…ってことは私ってマネキンに嫉妬してたの…バカだよ(泣))」


「オラ、ぼけーっとしてねーでさっさと始めんぞ!」


「はーい」





私にとって幸せの時が始まった



でも幸せな時間というものは、もの凄い速さで過ぎ去って行く...





「あと、一問だぞ!」


「ヤッター!」


「それは終わってから言え」




恋次はの頭を小突いた




「はーい」







数十分後...






「終わったー!!!」


「やりゃー出来んじゃねーか」


「それは先生の教え方が上手いからですよ!ありがとうございました」




はニッコリと笑った




「おぅ...///」




は鞄の中に荷物を入れる




「おい


「?」


「ちょっと手伝え」




恋次がいかにも"教えてやったんだから断れねーよな"という表情をして笑う



「…はい…」


「プリント綴じの手伝いな」


「わかりましたよ」




は少し頬を膨らませながら言う




「これって、明日の授業で使うんですか?」


「そうだ。だから手伝ってもらってんだよ。たくっ、こんなの一人で出来るかっての」




机の上にいはプリントの山




「結構大変なんですね」


「そうだぜ。給料の割には大変なんだぜ」



恋次はニッっと笑った



「///(カッコイイ…)」

「そういや、お前って部活入ってたか?」

「入ってないですよ」

「じゃーマネージャーなんてどうだ?」

「う〜ん...大変じゃなきゃ別にいいですけど...」

「おし!」

「?」

「今日から俺のマネージャーな」

「へっ?」

「んじゃヨロシク」

「はぁ!?…って待ってくださいよ!!何するんですか?」

「放課後俺の手伝い。その代わり、宿題は教えてやる」

「うっ...やります(条件つかなくても断るわけないけどね!)」

「明日から頼むな」

「はーい」



はニッコリ笑って答える



「///(かわいすぎ…)」



恋次は少し気になっていることがあった


「お前朝言ってた...」

「?(朝?…何か言ったっけ…変な事?)」

「"私の好きな人は好きになってはいけない"とかなんとかの奴だよ」

「えっ...あっはい...(もしや…バレた!?)」

「もしかして...」

「…」



は生唾を飲む



「スッゲー年上のおじいさんとかか?」



ガクリとうなだれる



「なっ!そんなわけないですよ!!」

「だよな〜。ヒント!」

「ヒっヒントって...(そんなん出したらバレるよ...)…背が高い」

「・・・。んなんじゃわかんねーよ」

「それじゃー...えーっと、・・・。(何て出していいかわかんない...)」

「もっとわかりやすいの頼むな」

「…笑顔がステキ!優しい、面倒見が良い」

「北山か?」

「違いまーす!」

「んじゃ岩倉」

「背小さいし...(苦笑)」




恋次は次々とクラスの男子の名前を言う




「和田だろ!」

「残念でした」

「クラスじゃねーのかよ!」

「う〜ん...そうですね...」

「...なんだよその言い方は...もっとわかりやすく言えよ」

「それ言ったらわかるじゃないですか!?」

「マネージャーの好きな奴くらい知っとかねーとな。っで誰だ?」

「…身長188cmで髪が長くてキレイで真っ赤で...」

「・・・」

「教師で理科教えてて、今日私をマネージャーにしてくれた人です...///」

「…マジか…」

「・・・」



は顔を真っ赤にして頷いた



「たくっ…だったら最初からそう言えよ!」

「でも...」

…俺がお前のこと好きなの知らねーだろ」



恋次はニカッっと笑いの頭の上に手をのせた



「先生朝いないって…」

「いや...教師が生徒好きなのはマズイと思ってな...」



は恋次に抱きついた



「先生大好き!」

「おぅ///」






〜おまけ〜

「…さっき逃げたのってもしかして、俺が女と抱き合ってるように見えたからか?」

「・・・。」