口に残るやわらかい感触...




















































「...日番谷?」

小さく彼を呼ぶ声




「…ワリ」




さっきの無理矢理のキスとは全然違う…






日番谷の顔は赤いだろう


そして、の顔もほんのりと赤くなっている










私は何て言って良いのかわからなかった...



「海燕の車にでも乗っけてもらえよ...」

日番谷はそう言うと立ち上がった




「…立てない…」

は日番谷によってされたこと、それと安心したせいもあり腰が立たなかった






「たくっ...」

日番谷はを支え立たせた










「どこに向かってんの?」


「体育館」


「意外と体育館の道のりって長いんだ…」



「お前がヘバッてるからだろうが」


「はい、おっしゃる通りです」







少し歩くと目的地へと着く





「おまっ!?どうした!!??」

海燕が寄って来た




「いえ、ちょっと色々とありまして...」



「市丸か?」


「まー、そんなとこですかね...」

は少し遠い目をした




「あのヤロー…」



「日番谷に助けられましたけどね」


「海燕、コイツ送ってやってくれねーか。立てねーんだとよ」


「あぁ、別にいいぜ」



「おい、じゃねーか」

「何やってんだよ」



恋次と一護が駆け寄ってきた




「あははは...」



「オメーら勝手に...。まだ練習終わってねーっての」


海燕が呆れながら言う






「まさか!市丸か!?」

恋次が言った


「まー…(何で皆そう簡単にわかるんでしょうね?)」


「何かされたのかよ!!」
一護が更に聞く


「ど、どうだったかな...」




「お前ら!今日の練習はここまでだ!!帰ったらちゃんと休めよ!!!」


と海燕が言うと後片付けを始める部員達





「そんじゃ行くか」

というと、海燕はを横抱きにする




「うわっ!?」



「海燕・・・何してんだよ…」

「はっ?抱っこに決まってんだろ」




そんな当たり前のように言わないで下さいよ…

こんなことされたこと、私一度もないんですけどぉ〜・・・。



「それじゃ、オメーら明日な!」

というと、海燕はを抱いて体育館から消えた






「どうなってんだよ...」
恋次が面白くなさ気に言う


「冬獅郎、お前何か知ってんだろ?」
一護が冬獅郎の方を見て言う


「…知らねーよ」
冬獅郎はそう言うと鞄を持ってそのまま帰って行った






「「どうなってんだよ!」」







訳のわかっていない二人の声が体育館に響いた





























「荷物持って来るからちょっと待ってろ」


を玄関に置いて海燕は職員室へと行った








「…はぁー」

今日一日を振り返るとため息しか出なかった






「どないしたん?大きなため息ついて」








誰も居ない筈なのに一人の声がした


そう、聞き覚えのある嫌な声...







「ため息なんてついたらアカンやん」


「・・・。何か用ですか?」


目も合わせずに淡々と言う






「そないに冷たく対応せんでもええんちゃう?今日はボクも悪かったわ」



「・・・」



「せや、明日日番谷連れて理科実験室に来て欲しいねん。今日の暴力について...」


市丸がニィと笑ったのがわかった





「あれは暴力じゃない!正当「ええな。明日朝一で来てな…」



それだけ言うと消えた







「待たせたな」


丁度海燕がやってきた




「・・・」

「どうした?」


「いえ、何も...(アイツ何考えてんだろう...)」








海燕の車に乗り込む





「お前大丈夫か?」


「うん・・・」



「・・・何あった?」


「・・・」


「無理に答えなくてもいいけどな...」



「実は...」





は今日あったことを話始めた...

日番谷のことは話すか迷ったが全て話した

明日朝一で市丸に会うということも







「どうすんだよ...会うのか?」


「うん。日番谷の処分が下されるし...基を辿れば私が悪いですし...」





「日番谷がいるからまだいいが...」



「大丈夫ですよ」




の家の前に着く







「ありがとうございました」



「荷物運んでやるよ」


海燕は助手席のドアを開けを出すと後部座席に置いてある荷物を持った





「大丈夫ですよ!ここまでしてもらうなんて悪いですよ」


「気にするなって。俺が好きでやってることだ」



「それじゃ、お願いします」

「おぅ」




の部屋へと着く



「ありがとうございました」

「おぅ」


「良かったらお茶でも飲んでいきますか?」


「そうすっかな」


海燕はニコッっと笑って言った



私は海燕さんがニッコリと笑う顔が好きだった


なんか凄く安心感を覚えるのである


その顔からは優しさがとても滲み出てるからである







「相変わらず広い部屋だな」


「そうですかね?」



「贅沢な暮らしだよな。羨ましいぜ」


「私はもう少し質素な方が好きですけどね」


「俺の家と取り替えるか?」


は苦笑した



「今度伺わせてもらいます」



「おぅ」





「はい、どうぞ」



「サンキュー」



はお茶を出す





は海燕の座っている隣に腰をかける
















2008年03月05日