「アイツむかつく。ねー恋次」


「あぁ?」


「一発思い知らせてやってよ」


「そんくらい自分でやれよ」


「え〜当たんなかったら嫌だし。ホラ」




硬式の野球ボールを渡す






「仕方ねーな」






恋次は力いっぱいの頭めがけてボールを投げる




スポッ...




の手には先程投げられたボール…



息の音すら聞こえないくらいに静まりかえった






「…それであるから」






教卓の上にボールを置き、何事もなかったかのように授業を進める






「(あいつ...何もんだよ...)」






が一瞬こっちを向いた際恋次は一瞬目があった…






「へー、やるなあいつ」






一護がシャーペンをくるくる回しながら言った







一時限目終了のチャイムが鳴る





「今日の授業はここまで。次テストするから」



『ハァー!?』





教室中に広がるブーイングの声







「復習しとかないと点数とれないよ。入試レベルに作っとくから」





「ありえねー」だの「最悪」だのという声が聞こえてくる





「先生」



「何?」





冬獅郎が質問する






「なんで授業を教科書の始めから何ですか?」



「私の教え方ってのがあるから。それに、もう終わってるんでしょ?それなら次のテストくらい簡単でしょ?」





一本取られた気がした





「まっ、俺はいいけどな…」





頭が良い冬獅郎にとっては苦でも何でもない





「授業でわからないとこがあるなら、私のところにくればそれで済むし。友達同士で教えあってもいい。

 あとはあなた達次第でしょ?当たり前だけど成績には関係あるから」





は教室の出口へと行くと、後ろを向きながら恋次に向かってボールを投げた





「おっ!」



「そんな安い虚仮威ししても意味ないよ」





そう言って出て行った。






「ちょっとは骨ありそうだな」





一角が恋次の持っていたボールを取って言う






「確かに...」















「お疲れさん」






職員室に入り声を掛けてくれたのは、市丸だった






「どうも」



先生も大変やね」



「そうでもないですよ」



「まだ何も起こってへんの?」



「まー、一応」





は苦笑した






「(ボール投げられたくらい?)」



「何か合ったら直ぐ言うんやで!ボクがしばいたるわ」



「ありがとうございます…」




は自分の席へと着く




「あのクラスは結構大変みたいだからな。気をつけろよ」



右隣の檜佐木が言う



「はぁ〜」


「良い奴っていえば良い奴なんだけどな」






左隣の海燕が頭の後ろで腕を組んで言う






「礼儀を知らないんじゃないですか?」






はクラスの名簿を取り出して言う






「「そうかもな」」



「今日は歓迎会といくか!」





修兵がお猪口で酒を飲む動作をする





「おっ!いいな」



「私はパスします」


「歓迎される張本人来なくてどうすんだよ」






海燕が呆れて言う






「歓迎されなくていいですから。それに直ぐ辞めるかもしれませんよ?」







冗談交じりで言ってみた。



コイツらにとっては、私が辞める事…それが一番の甘い蜜だ



誰が辞めてやるか…



お前らの立場ってのを教えてやるよ…







「「…は辞めなさそうだな」」





二人声を揃えて言った



いつから呼び捨て?という疑問もあったのだが…






「今までの奴とは違うオーラ放ってるよな」





修兵が頬杖を突きながら言う






「俺も思った」





同意する海燕







「「期待してるぜ」」






そういうと、二人とも立ち上がり授業へと向かう





期待されても...



まーいいや、取り敢えずあいつ等の名前くらいは覚えておくか...









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