いいのかよ...教師が生徒を家にいれて (※前にも入りました!一人ではないけれど)



生徒の前に男だぜ?











 「適当に腰かけて好きなものいじってて!ただし、そっちのPCは閲覧禁止なんでよろしく!こっちはいいけど」

 「…一人暮らしでPC二台かよ」

 「夜何食べたい?そうだ!チャーハンにしようチャーハン!直ぐ作れるからさ」

 「…俺に聞いた意味ねーじゃねーか」






冬獅郎は一人で突っ込んでいた

そして、急かしそうに動くを見て少しだけ笑った











 にしても、一人暮らしにしてはかなり広いよな
 …どんだけ金持ちなんだ?
 教師やってるからってあいつまだ来たばかりで給料そんなに高くねーだろ
 つーか…料理作れんのか?










という心配をしながら冬獅郎はが台所で動いている様子を見ていた





 「ついでにデザートでも作りますか!」



なにやらは張り切っているようだった











30分後くらいには料理が出来上がったらしく、は台所から料理を持って来てテーブルの上へと並べた




 「じゃじゃ〜ん様特製蟹チャーハン!!序にデザート付き!」

 「へー、結構上手そうじゃねーか」

 「当たり前!この間あんたバカにしてたでしょ?だから見返してやろうと思ってさ!」

 
俺は納得した
どうりで一生懸命料理を作っているわけだと




 「さーさー、遠慮しないで食べて!お変わり自由だからさ」

 「…頂きます」

 「頂きます…どう?おいしい?」

 「ウメー」

 「良かった」




は安心したかのように笑顔で言った




 「手料理なんて久しぶりだからな」

 「えっ?あんた家で何食べてんの?」

 「だいたいコンビニで買って食うな」

 「何!?んな不健康極まりない生活送ってんの!!あんた受験に負けるよ!」

 「…」
 
 「日番谷のお母さんとか作ってくれないの?」

 「仕事でほとんど家にいねーよ」

 「子供に手料理食べさせないでどうするんだろうね。母親の味知らないで育っちゃうよ」

 「あぁそうだな」

 「日番谷さ言ってみれば?」

 「…何をだ?」

 「家に居て欲しいって。自分を見て欲しいってさ」

 「あいつなんて…居なくていい」
 
 「そんなこと言うなって。お腹痛めて生んでくれたんでしょ?」

 「知らねーよ」

 「(絶対怒ったなこりゃ…話題変えるか…)あっ!」
 「?」








は何かを思い出したかのように明るい顔になった



 「もしかして!夢の三連休じゃない!?」

 「もしかしてもクソもねーだろ。暦見りゃわかんだろーが」

 「いや〜三連休ってのはね社会人にとっては有難きものなのよ♪」



は心底嬉しそうだった

それを見ていると冬獅郎も嬉しくなってくるようだった






 「三連休中に何かあんのか?」

 「えっ?何もないよ」

 「…じゃーなんでそんなに嬉しそうなんだよ」

 「そりゃー寝れるじゃん?」

 「・・・。」








そうこう放しているうちにメインディッシュのチャーハンを平らげデザートへと突入!



 「ちょっと待っててね、今冷蔵庫から取ってくるから」



はそう言うと俺の隣から腰を上げキッチンへと向かった



 「ぎゃー!!!!」



という声が聞こえてきた



 「どうした!?」

 「ゼリーが…」




何事かと覗いてみると、ゼリーは固まっておらず液体のままだった


 「そんくらいで騒ぐなよ…」

 「だってさ今日は上手くいったと思ったわけよ...私ゼリー職人にはなれないな〜」




の取り巻く空気が重くなっていた



 「…別に良いんじゃねーの?ジュースとして飲めば」

 「そっか!」

 「調子のいいやつ」

 「そんじゃどうぞ!」

 「俺が飲むのかよ…」

 「そりゃー言いだしっぺだし。不味くわないでしょ!!多分」

 「…多分かよ」






冬獅郎はゼリー(?)の入った容器を見つめ一気に喉へと流し込んだ



 「どう?どう?」

 「…あめー」

 「そりゃーね。不味くはないんだ!そんじゃ私も」

 「・・・(毒味させられたってことかよ)」

 「あまっ...」







なんとか二人はゼリージュースを平らげリビングへと戻った





 「さて、お風呂でもはいりますか」

 「…俺着替えねーし」

 「そうだね〜。服なら何着かあるよ!兄貴のが。下着はコンビニで買ってくるほかないか...日番谷風呂入ってなよ。
  私は何でも屋に行って来るからさ」






そういうと、は鍵を掛けて出て行った








あいつ...世話好きなのか?

…だから教師なんてやってんのかもな






冬獅郎は一人でそう思いながら風呂へ入った






湯船に使っていると何でも屋から戻って来たのだろう


 「着替えココに置いとくから」


と言って置いて出ていったのがわかった











冬獅郎が風呂から上がってきたのは30分後くらいだった




 「おっ!上がってきたね。んじゃ、バトンタッチ!!」



と言っては冬獅郎の手を叩いた






 「(・・・ガキくさ)」



でも、そんな彼女も嫌いではなかった







が風呂から上がったのは一時間後だった






 「いや〜気持ちよかったv」


Trrrr…Trrrr


 「はい…」



冬獅郎が自分の携帯に出る



 『ちょっと冬獅郎、まだ帰ってないって言うじゃないの!どこにいるの?』

 「…あんたに関係ないだろ」

 「日番谷ちょい貸し」


はそう言うと冬獅郎の携帯に出た



 「もしもし」
 『あら、確か担任の先生でしたよね?何か?』
 「冬獅郎君は私が拉致しましたので。そういうことです。返して欲しかったらご自分で私のところまで来てください
  住所は...」
 『先生冗談は辞めて下さい』
 「私冗談は言いませんよ。本気です。あなたが来るまで私は冬獅郎君を監禁しますんで」
 『冬獅郎?聞こえてるんでしょ。お母さんね2・3日忙しくて家に帰れないの。お父さんも。
 
  いつものように家のこと頼むわね』
 「あなたそれでも母親ですか!?息子が大切なら仕事くらいほったらかしにして迎えに」
 
 「先生が居てくださるなら大丈夫ですね!それではよろしくお願いします』


ツーツー…



 「…#」
 「無意味だぜ」
 「しょうがないね。それじゃー、親が迎えに来てくれるまでココにいてもらうんでよろしく〜」
 「・・・」


冬獅郎はどうせ冗談だと思っていた







 「あんた何処で寝る?そういや、客間作ってみたんだよね。最初は物置だったんだけどね。あっ、でも大丈夫!
  整理しといたから綺麗だよ」

 「…俺帰るな」



10時半を回っていた


 
 「はっ?何言ってんの?」




の目がマジになった




 「帰さないよ。今あんたは人質なんだからね」

 「冗談も程々にしとけよ」

 「さっき言ったじゃん。聞こえてたよね?私は冗談が嫌いだって…」

 「・・・」

 「あんたがどうしても帰るっていうなら、私はあんたを柱に括り付けてでも帰さないよ」
 
 「・・・なんでそこまですんだよ...バレたらお前クビじゃ済まねーぞ」
 
 「察上等じゃないのさ!苦しんでる奴放置出来るほど出来た大人じゃないんでね」




は冬獅郎にニコリと笑った





 「柱に括り付けるのは冗談。そんな趣味ないし」



は冬獅郎の頭を撫でた

もちろん冬獅郎は嫌そうに頭を横に振った



 「ガキのうちだよ。人に素直に甘えられんのはさ…。さてさて、お待ちかねのお部屋案内だよ!」

 「待ってねーし」












こいつと居ると自然と笑える…

楽しいと思える自分が居る…

そして何より

俺の傍に居て欲しい…

そう思えたたった一人の人間を

俺はこの手で守ってやりてーと心底思った…































客間と言っていた元物置は広かった




そして、綺麗に片付けられていた













 「ベッド新しいんだよ!!新品!日番谷が始めて使うんだよ!なんとめでたい」

 「・・・めでたいのか?」

 「おやすみ」

 「おやすみ…って」

 「何?」

 「枕ねーよ…」

 「・・・。あっ…」




どうやら忘れていたらしい







 「仕方ない私の枕を貸してしんぜよう」

 「しんぜようって...」

 「あんまり細かいこと気にしてると背伸びないよ」

 「#」

 「ごめんごめん。はい、どうぞ!」



は隣の自室の枕を急いで取ってきて冬獅郎に渡した




 「お前どうすんだよ」

 「私は抱き枕あるから大丈夫さ!遠慮するなよ客人!!」

 「…人質なのか客なのかどっちなんだよ」

 「両方兼ねてるよ。それじゃーね、おやすみ。いい夢見るんだよ!!」

 「(お前もな…)」











取り敢えずやることもないので冬獅郎は大人しく布団の中に入った





 「(の匂いがする…)」



枕からの匂いがした
なんとなく良く眠れるような気がした



















―――――――


 翌日…






冬獅郎が目が覚めると今の方からトントントンという音が聞こえてきた

パジャマから服に着替えリビングへと行く








 「おはよう!昨日は眠れた?」

 「あぁ...何やってんだよ」

 「朝御飯の支度!もうちょっと寝てて良かったのに。折角起こそうと思ってたのにチクショウ」
 
 「・・・」

 「いや、何か朝早くからご飯支度してると、新婚さんみたいだよね〜vV」

 「!?」
 
 「あ〜ぁ、日番谷起したかったのになぁ〜。もう一回寝てこない?」

 「何しようとしてたんだよ」

 「いや、一回『朝御飯出来たよ〜起きて!ダーリンvチュー』とかってやってみたいじゃん!」




興味津々に言う


 「…ドラマの見すぎだろ」

 「ほら、こんな機会でもないとさ出来ないし」





ちょっとだけ、ちゅーしてくれんのか?
なんて期待もしてみたが
するわけねーよな
と直ぐその期待は闇へと葬った





 「焦げてんぞ目玉焼き」

 「うぎゃ!」




は慌ててフライ返しで目玉焼きを皿に取る



 「半熟でいいよね?」

 「あぁ」

 「見て見て!今日はゼリーちゃんがねスライムみたいにプリプリしてるの!」
 
 「昨日失敗した奴か」

 「昨日は昨日だから良いの。お腹空いたよね、ちょっと待ってて今出来るから」



はセカセカと動く


 「朝はやっぱ牛乳でしょ!トースターでパンが焼けたら出来上がりっと」





は何だか楽しそうだった




 「何でそんなに楽しそうなんだよ」

 「えっ?だって料理食べてくれる人いるし、話し相手いるし」






俺はその時コイツ結構寂しがりやだなと思った








 「はい、できあがり!冷めないうちに食べよう!」










今日の朝食、ベーコンエッグ・トースト・コーンスープ・ゼリー







 「さてと…」




は朝食を食べ後片付けを終えると昨日冬獅郎に触るなと言っていたPCを立ち上げていた

冬獅郎は後ろから覗いていた

怒らないところを見ると、覗いても大丈夫ということだ





 「よしよし、順調!」


は何やらグラフを見てニヤニヤしていた
そのが何のグラフなのかは大体は予想がついた
そして、どうしてコイツがこんなに金持ちなのかも...







 「株か?」

 「そうそう。そろそろかな...」



は躊躇うことなく売却ボタンをポチッっと押した








 「どのくらい儲けてんだ?」

 「そうだな〜年で言うと、うん億円?」

 「…お前ホント教師やってる意味わかんねーし」
 
 「これはいざという時に使うお金だからさ」





コイツの貯金額を見たくなった







 「でも、私お金結構使うからさ。まずこのマンションだけで結構イタイよ」




そりゃー、こんな豪勢なところに一人で暮らしてりゃそのくらいのリスクを負うのは当たり前だ










 「今日はこのくらいで…っと、疲れた〜」



はそう言うとPCを元の場所へと戻す









ピンポーン





とインターホンが鳴った









 「誰だろう?」




何となく俺は予想が出来た…
あいつ等だろうという









 「、暇だから遊びに来たぜ!!」



そこには一護と恋次の姿があった







 「(やっぱりな)」

 「二人ともどうしたの!?」

 「も暇だろうなって思って遊びに来た」

 「いやいや、勝手に暇にしないでください」

 「おっ邪魔しま〜す」




恋次がズカズカと中へ入っていく




 「図々しいですから…」

 「おまっ!?冬獅郎!!!こんなとこで何してんだよ!!!」



恋次が驚くのも無理はなかった






 「お前来るなら来るって俺等にちゃんと連絡しろよな」


一護があとから入ってきてそう言った







 「それがね、今、日番谷は私の人質だからさ」
 「「人質!?」」



は昨日から今日に至る過程を説明した



 

 「おいっ...ってことはお前と一夜過ごしたのか!?」





恋次が冬獅郎に向かって指を差していった






 「その言い方止めんかい!」



すかさずがツッコム



 「確かに同じ屋根のしたで一晩過ごしたかもしれないけど、部屋別々だから」
 「お前も変な言い方してんじゃねーよ」


は冬獅郎に突っ込まれた







 「まー、冬獅郎には同情するけどな」



一護がソファーに腰掛けて言う




 「何勝手に寛いでるんですか…?」

 「んじゃ、俺等も今日ココに泊めてもらうとするか。なー、一護」

 「おっ?そうだな」

 「いやいや、“そうだな”じゃないでしょι 親心配するよ」

 「「担任の所に行って来るって言ってあるから大丈夫だぜ」」
 
 「それ、かなり良くないから!親も止めようよ!!」










居候が増えた一日でした...

でも、コイツ等の面倒見るのも嫌いじゃないけどね















2008年03月05日