市丸と食事を約束した
そんな次の日...

















 「ほな、ちゃんあとでな」
 「あっ、はい」








ギンはよりも早く帰った。
そんなやり取りを見て、可笑しく思うのは隣の席である修兵と海燕だった













 「お前らなんか約束でもしたのか?」





修兵がまず、そう聞いてきた






 「まさか、付き合ってるなんてことねーよな?」






少し焦って海燕が聞いてきた










 「まさか、付き合ってるわけないじゃないですか」
 「そうだよな」






それを聞いて安心したのは海燕だけではないだろう。
修兵だって心ではとても安心した。







 「そんじゃ今日何かあんのか?」
 「食事に誘われただけですけど?」
 「「しょっ、食事!?」」
 「お前まさかオッケー出したんじゃねーだろうな!」









少し焦って聞くのは修兵だった








 「出しましたよ」
 「お前!あんだけ過去に色々あったのにんな簡単に手に乗ってどうすんだよ!!」
 
 「そりゃ過去には色々ありましたよ。でも、今は大丈夫ですよ」
 「お前な人がそう簡単に変われるわけねーだろ」







海燕がの人間性が良いという性格に呆れた











 「それに、何かあったら電話かけますから」
 「かける暇なかったらどうすんだよ」
 「その時は...その時で。それじゃ、私そろそろ帰らないと間に合わないので!」
 「おい、!」













と止めてもタダの無駄なのである。
二人が心配するのも当然なのだが...














 「あいつ本当に大丈夫かよ...」





心配そうに言うのは修兵だった







 「今は市丸の奴を信用するしかねーな...」
 
海燕はギンの机を見て呟いた
































は帰る為に職員室から出て急いで校内を出ようとしていた。
そんな時にこそ用事というのは向こうからやってくるのです。

















 「おい、
 「何!」
 「勉強教えてくれねーか?」









そこにいたのは一角だった









 「…」









断りたい...
だけど、そうもいかないか...
このまま行けばあと、30分は大丈夫だけど...
この格好のままで行くのも悪いかな?
いや、取り敢えず斑目に勉強教えるのが優先か











 「いいよ。教室空いてた?」
 「いや、女子が残ってる」
 「あ〜…そんじゃ…」












はあるところへと向かった
そこは応接室
そこにはとても立派なソファーとテーブルが置いてあった。


















 「ここ使っていいのかよι」
 
 「えっ?だって空いてるんだからいいんじゃないの?」












そういう問題かよ!
と突っ込みを入れたかったがさっさと勉強を終わらせて帰りたかったのでやめといた。














 「それで、どこ?」
 「コレ」
 「あ〜コレね…っておい、あんた私に数学以外の問題教わる気か!」
 「お前以外に聞ける先公もいねーし」
 「って、私免許持ってんの数学と理科なんですけど...国語とか...しかも古文とか知るかー!!!」












もしココに卓袱台たるものがあるならば確実に吹っ飛ばしているところだろう
流石に応接室のお高い机は吹っ飛ばすことは出来なかった











 「確か、古文の先生って伊部先生じゃなかった?」
 「俺、伊部嫌いだし」
 「お前…」









一角はテッキリ怒られるのではないかと思った
が、予想外なことがの口から発せられた












 「グッジョブ!!」





は親指をグイッっと立てる




教師が生徒の教員に対する悪口を言って賛同する奴がどこにいんだよ...
と思いつつこいつも伊部のことが嫌いということを知ったのだった












 「なんかあの人私に恨みあるのか知らないけど何かある毎にうるさいんだよね〜」
 「…それより、教えろ」
 「ごめんごめん。って、だから私教えれる免許持ってないっての」
 「先公のくせに古文も教えられねーのか?」













一角はの負けず嫌いなところを知っていた。
だから挑発すれば乗ってくれることもわかっていた















 「ふっ、そんな古文屁の河童!私に解けないわきゃないさ!!」
 「だったら、早く教えろよ」
 「何か...あんた偉そうでムカツク」
 「...教師が暴言吐くな」
 「んじゃ、生徒は先公の言うことよく聞いてね。例えデタラメでも」
 「嘘教えんじゃねーぞ」
 
 「教えないって。信用なさい!」
















はなんとか遠い記憶を思い出し、一角に教えていく
ここまで覚えている自分が凄いと少し思った



















 「ほ〜ら終わった!私の記憶力もあながち捨てたもんじゃないでしょ」
 「サンキュー」
 「どういたしまして...ってまて、今何時?」














は恐る恐る応接室の時計をユックリと見た
時計の短針は7の字を
長針は30分を少し回っていた















 「やっばー!!! 斑目遅くなっちゃってごめんね!でも、今それどころじゃないんだ私!!」
 「・・・見りゃわかる」
 「ということで、応接室の電気消して帰ってくれない?」
 「別にいいけどよ」
 「それと、そこらの物はいじんないでね!怒られるの多分私だから!
  それじゃ、気をつけて帰ってね!!GOOD BAY MADARAME!」









と言っては応接室から慌てて姿を消した。






 「慌て過ぎだろ...んっ?」









一角はが座っていたソファーに何かあることに気付きそれを拾う









 「ドジだな...」









それは携帯だった。
ここに置いて帰っても良かったがそれじゃー、この部屋を使ったことがバレる
怒られるのは一角ではないが、勉強を教えてもらった身なのでだけが怒られるのも可哀想なので
持って帰ることにした。次の日に渡せば良い話だし。
斑目は応接室の電気を消し帰ろうと玄関に向かっていると、
の携帯のバイブが鳴り始めた。
サブディスプレイに表示されたのは、Eメール『市丸先生』だった。












 「…」











一角は携帯を開くことなく無視をした。
そして暫くすると、再び鳴り出した。
今度は暫くしても音が鳴り止まなかった。
公衆電話からの着信だった。
もしかしたらの可能性もあるので一角は出ることにした。
その選択が正しかったのか...
それは...













 

 

最終更新日 2008/03/05