その次の日には、海燕はスッカリ完全復活を遂げていた。 「今度、看病した分奢って下さいね」 「わかったよ」 「じゃっ、俺も!」 「何で修兵にまで奢らなきゃならねーんだよ」 「部活の顧問一人で頑張ったで賞」 「わーったよ」 「「やったー(やったな)」」 と修兵はガッツポーズをした。 そんな三人は悪魔が近づいている...なーんてことに気付いていなかった。 「志波先生おはようございます」 「…おはようございますι」 良い笑顔で伊部が朝の挨拶をしてきた。 「お体の具合もう宜しいんですか?」 「お、おぅ。お陰様で…」 「そうですの!それじゃー、今日でも復活祝いでも致しません?二人で」 「いや、その今日はこいつ等と飲み会の約束してまして...なー、・修兵!!」 海燕は必死で二人を見た。 一瞬「いいえ、してません」と言おうかと思った二人だが、 あまりにも可哀想なため話しを合わせることにした。 「「そ、そうなんですよ!!今日丁度海燕(さん)が病み上がったってことで祝おうとしてたところなんですよ!!」」 「コイツの家で…」 修兵が最後にを指して言う。 は少しビクッっとしたが、首を縦に振り続けた。 「い、さんのお宅でですの!?しかも男二人と女一人!?そ、そんなことあってはなりませんわ!!」 「「「(なんか…変だよこの人…)」」」 「志波先生何かありましたら私に言って下さい!!こんな野蛮な女と一緒だ何て…」 と言うと、伊部はを睨みつけ、自分のデスクに戻って行った。 「修兵さん!なんて言うこと言うんですか!!余計私が悪者ですよ」 「まっ、いいじゃねーか。何かされたら俺が守ってやっから」 「そういう問題じゃないですよね?」 「…お前ら本当に感謝するぜ」 「海燕さん大変ですよねι」 「あいつに目付けられるってのがな…スゲーと思うぜ?」 「嬉しくねーよ」 「最近ヤケに海燕さんに対してのアピールが積極的ですよね?何かあるんですかね?」 「バカ、結婚適齢期とっくに過ぎて焦ってんだよ」 修兵が小声で言う。 は納得したかのように頷いた。 「海燕さん、覚悟決めました?」 「ハァッ!?」 「可哀想な女性のために人肌脱ごうとするのが男ですよ」 「バカ言うんじゃねーよ!!アイツだけは嫌だぜ…それに俺にはス…」 「好きな人いるんですか!?」 「バカ!!声デケーんだよ!!!」 「うわぉ!伊部がこっち見たぞ」 修兵が冷や汗を流しながら海燕に言った。 「んな情報いらねーよ」 「それで、いるんですか!?」 「さーな。んじゃ、お前はどうなんだよ」 「私ですか?」 「それ、俺も知りてーな」 海燕がに聞いたことに修兵も乗る。 更に... 「俺も知りてー」 「俺も」 「…俺も」 とお決まりの生徒三人が現れた。 「何であんたらいんの!?つーか職員室は恋話の場所ではありません!」 「お前から聞いて来たんだろ」 「そうでした...。そこのいつもの三人衆は何か用ですか?」 「「「別に」」」 「用もないのに職員室に遊びに来るなよι」 「用事ねーと来ちゃいけねーって規則もねーだろ」 冬獅郎はそういう鋭いところをついてくる。 「それはそうだけどさ...でも、普通生徒ってできれば職員室に入りたがらなくない?」 「教室にいるより、お前といた方が楽しいだろ?」 恋次が直球にそう言った。 告白に近いこの言葉 だが、には届いていないのだ 「あのねー、先生が面白いってどういうことですかい?何私そんな変な顔してんの?」 「「「「「…」」」」」 「恋次、残念だったな」 修兵が慰めてやった。 「別に慰められる必要ねーよ!!」 「職員室で騒がないでね〜、私が怒られるんだから!」 「誰にだ?」 一護は辺りを見渡して怖そうな教師がいないことを見る。 「決まってんじゃん...海燕さんLOVEの人に」 「その言い方やめろよ...俺の名前を出すな...頼むから出すな」 の言い方でそこに居た人には伝わるのだから凄い。 そして、皆思うことは一つ 『可哀想』 そんな放課後... 海燕とが話しをしていると、伊部がやって来た。 「志波先生v」 「(今ハートマークが語尾にありませんでしたか…(滝汗))」 by. 「…なっ、なんですか」 「これ見てください」 「…温泉…ですか?」 「はい。綺麗だと思いません?」 「そうですね…一度は行ってみたいですね」 「本当ですか!?今週の土曜日ご予定はあります?無いのでしたら一緒に温泉にでも行きませんか? 温泉宿泊券をペアで当てたもので、一緒に行く人探してましたの」 「いや...俺、土曜日にと約束してるんですよ…(温泉!?しかもペアチケット!?行ってたまるか!!)」 海燕は必死でに目で訴える。 「はい。今度の土曜日に私の別荘に行くことになってるんですよ」 「先生…」 「はい」 「あなた志波先生とどういうご関係で?」 「せ、先輩ですけど...それが何か?」 「いいえ、何でもございませんことよ。失礼、帰らせて頂きます」 「助かったぜ」 「いえ、海燕さんハッキリ言ってあげたらどうですか?」 「そりゃ、可哀想だろ」 「海燕さんの方が可哀想ですよ」 「そういや、お前別荘持ってんのか?」 「はい。温泉が有名なところには一つはありますよ」 「スゲーな」 「良かったら今度行きます?皆連れて」 「おっ!いいな」 「ところで海燕さん」 「あっ?」 「好きな人誰ですか?」 「…いねーよ」 「ほんとに?」 「疑うのか?」 「いえ」 「じゃーお前はどうなんだよ」 「私ですか?」 「おぅ」 「いないですかね?」 「何で疑問になるんだよ」 「わからないんですよ...自分でも」 「はっ?」 「好きな人が多いんです」 「…」 「海燕さんもそのうちの一人ですし、修兵さんも好きですし、日番谷も黒崎も阿散井も斑目も...皆好きですよ」 「…そっか」 ガラガラ... という効果音ではなく、 バンッ に近い音が職員室のドアからした 「「!?」」 「「!!」」 そこに居たのは冬獅郎と恋次だった。 「「一護知らねーか!?」」 彼等の話によると、放課後、急に姿を消したという |
2008/03/05