そう言えば、放課後から何か様子が可笑しかった気がした どうして自分はもっと早く気がつかなかったんだろうか? 手分けして校内全て探したが、一護はいなかった。 「お前らもう帰れ」 「はぁ!?一護がまだ見つかってねーのに帰れるかよ!」 「どこに行きやがった…」 「いいから、帰れ。親に心配掛けるな。あとは私が探すから」 「俺らも探すぜ」 そこに来たのは海燕と修兵だった。 「俺も探す」 一角もやって来た。 「生徒は駄目。ここからは教師に任せて」 とその時、の携帯が鳴った。 「はい…黒崎!!!お前今何処に…」 『わり、心配かけたみてーだな。でも、大丈夫だから気にすんな』 「いや...黒崎…何かあったら私にちゃんと言え…いいな?」 『あぁ…』 「無事でなによりだ。それじゃーな、また明日」 「一護なんだって!?」 恋次がの携帯を取る 「落ち着け、大丈夫だそうだ…今日はコレで解散!!」 は一護の声が大丈夫ではないと言っていることに気付いていた。 しかし、自分で大丈夫といった以上今日の所は関わるのをやめた。 明日になり様子を見ることにした。 翌日... 「志波先生、おはようございます」 「お、おはようございます…」 「修兵さん…なんか私席代わりたいんですけど…」 「昨日から海燕にべったりだな...あいつ」 「もう、なんか...私もう無理」 「俺も」 「海燕さんそのうち胃に穴空くんじゃないですか?」 「何物騒なこと言ってんだ?#」 職員室の隅で話していた二人の話しに入る。 「海燕さん...もういっそうのこと結婚してあげたらどうですか?」 「バカ!!俺はぜってー嫌だぞ!!!」 「冗談ですよ」 「…」 「安心しろよ海燕。は俺が幸せにしてやっから」 「…俺がすんだよ」 些細な二人の会話... もしそれを伊部が聞いていたら...どうなっていたのだろう? チャイムも鳴り、は教室へと向かう。 教室に入ると直ぐに異変に気が付いた... 「(黒崎…)」 は一護の席に本人が座っていないことに気付いた。 欠席をするという連絡すら来ていない。 無断欠席をするような奴ではない それだけに何があったか心配だった。 放課後は事情を知っていそうな、斑目、阿散井、日番谷を呼び出した。 「黒崎について何か知らないか?」 「何も知らねーぜ」 冬獅郎がそう言った。 「昨日の放課後から会ってねーよ」 恋次が言う 「俺らが最後に見たのは、あんたと殆ど変わらねー」 最後に一角がそう答えた。 「そっか。ありがとう」 はそう言うと、職員室に戻ろうとした。 「どこ行く!!」 恋次が言った。 「…一護の家か?」 流石というのだろう。冬獅郎の勘は鋭い 「ちょっとな…」 「俺らも行く」 「それは駄目だ」 一角の言葉をは許さなかった。 「友達には弱いところ見せたくないもんだよ...それじゃ」 は学校を出ると真っ直ぐ一護の家に向かった。 一護の家は病院だ。 黒崎医院と書いた看板が飾ってある。 「そういや、病院だって言ってたな〜。今度病気になったらココに来ようっと」 は自宅の方へ行きチャイムを鳴らす。 すると、可愛らしい声がして玄関の扉が開いた。 「黒崎一護の担任の と申します。一護はご在宅ですか?」 「あっ、いつもお世話になっています」 その子は礼儀正しく答えてくれた 「ちょっと待ってください!」 もしかして...黒崎の妹!? かわいいな〜 「アレ!?先生!!」 「これはどうも」 一心が出てきたため挨拶を交わす。 「一護はご在宅でしょうか?」 一心はに家の中に上がってもらう。 「こんな綺麗な先生がワザワザ家に来てくれるとは」 「いえ…」 「一護なら部屋にいますよ!」 「何か変わった様子ありますか?」 「お兄ちゃん昨日から出てこないの」 「そっか…ありがとう。部屋に上がらせてもらっていいですか?」 「どうぞ!どうぞ!!」 「失礼します」 は一護の部屋の前に来た。 「黒崎、いるか?」 「…」 中からは何も返事が返ってこない。 は部屋のドアを開けようとドアノブを回したが、鍵がかかっていたため開かなかった。 「お前昨日何があった?」 「…」 「皆心配してるよ…」 「…帰れよ」 一日ぶりに聞いた一護の言葉は「帰れ」の一言だった 「一護ォォォ!!!折角来て下さった先生になんて言う」 「いいんです…すみませんけど、二人きりにして頂けませんか?」 は一心に真剣な顔をして頼んだ。 一心は何も言わずに一階へと降りる。 「阿散井も日番谷も斑目も、修兵さんも海燕さんも皆心配してるよ? こんなとこに居たって何の解決にもならないんじゃない?」 「うるせー…帰れ」 「…帰らない…黒崎が出てきて、ちゃんと直接顔合わせて話しできるまで私帰らないから」 「そういうのウぜーんだよ...」 「ウザくて結構。あんたが出てくるのずっと待つから。ココで」 「…」 はドアに背を預けその場にしゃがんだ 「…なんかさー今、海燕さん大変なんだよね。伊部がさ今日も海燕さんのところにきてさ、 あれはストレス溜まると思うんだよね。現に直接的な被害ない私までも胃が痛いから 本人はどれだけなんだろうね。今度誕生日にでも胃薬プレゼントしようか」 中からは物音一つしなかった。 が何かを話しても一護は黙って聞くだけだった。 それから数時間が経っても一護が出てくる気配はなかった。 「黒崎、このままだと私ココで寝ることになるんだけど...寒いんだよね 風邪引いたら責任取ってくれるわけ?」 「…だったら帰れよ」 「嫌だ。ここにいる...。ねー、部屋にずっと居て楽しい?仲いい友達と一緒に居た方がよっぽど楽しいんじゃないの?」 「…」 「…あまったれんのもいい加減にしとけ……。人間思ってるだけじゃ人には伝わらないんだよ。 それが辛いことであろうと楽しいことであろうと。一人じゃどうしていいかわからないことも、 他の人の意見でなんとかなるもんじゃないの?ただわけもわからなく部屋に閉じこもって 誰とも会いたくない、話したくないなんて甘ったれた考え持つな。 このまま一人で抱え込んで辛い思いするのもかってだけど、それを心配する人の方だって いてもたってもいられないんだよ。私には話さなくてもいい。 だけど、斑目たちには話してやってもいいんじゃないのか?親友なんでしょ? だったら胸のうち話してやんなよ。あいつらならちゃんと聞いてくれる。 ………明日は学校ちゃんと来いよ。私のクラスは一人でも欠けちゃいけないんだからさ。 またな、黒崎…でしゃばってごめん」 その時、カチャリとドアが開く音が聞こえた。 |
2008/03/05