あいつ足こんなに早いのかよ… は一護を見失わないように一生懸命に走った。 川沿いに一護が下りていくのをみるとそこに向かって走る。 「へ〜、本当に一人で来たんだ」 「バカだね〜」 「友達いねーの?」 「…ワリーけど、危ねーめに合わせるようなダチはいねーんだ」 「あぁ?生意気な口聞きやがって...松山 香って女の子知ってる?」 「…あぁ」 「確かあんたの彼女…なんだよな」 「ちげーよ」 「嘘は吐かなくていいんだぜ?ただ、お前が別れて俺たちを紹介してくれりゃそれでいいんだ」 5人に絡まれている一護 そのうちの一人が一護の顎に手を置き顎を持ち上げる。 「どうすんだ?別れるのか?それとも俺らにこてんぱんにされて、起き上がれねーようにされてーか?」 「お前に選択権渡してんだ。さっさと答えろよ」 「テメーらの言ってる意味わかんねーよ」 「なんだと#」 一人が殴ろうと腕を上げたところで叫び声が聞こえた。 それは一護にとっては聞き覚えのある声。 「やめろ!!何してんだお前ら」 「何だ?コイツ?俺らに喧嘩でも吹っ掛ける気か?姉ちゃん」 「そいつには触るな…」 が一護の近くにかけより、自分より後ろに下がらせた。 一護はの肩に手を置き、止めようとしたが、はそれを振り解いた。 「コイツに手出すな…」 「あぁ?誰だあんた」 「私はコイツの担任」 「先公だってよ!」 一人が大きな声で言うと、周りにいた奴は笑い出した。 は目を細めた。 「あぁ?何だその顔は。誰に向かってそんな顔してんだ?」 「あんた」 「はっ、先公が喧嘩売っていいのかよ」 「喧嘩売ったのはそっちでしょ?それに...先公が喧嘩買っちゃいけないっていう法律でもあんの?」 「なんだとテメー」 「兄貴、こいつ口悪いですけど、カワイイ顔してますよ!!うちの店で売れるんじゃねーでしょうか?」 「確かにな...まずは品定めはしねーといけねーな」 「…あんたら高校生じゃないよね?」 「制服着てんのがわかんねーか?」 「そんな制服存在しないって言ってんの…あんたらどこの組のもんよ」 「お前に言ってもわかんねーよ」 「そっ。言わないならこっちで勝手に探すけど...」 「笑かしてくれるな、ねーちゃん」 「あら、面白かった?おじさん達」 「おじさんだ?#」 「全くこんなコスプレまでして...私の生徒に手ですわ、いい度胸じゃないの」 「はっ、おめーの方が大した度胸だ。後々泣いて謝っても遅いぜ?」 「フン……テメーら業界で生きてけねーようにしてやっから...安心しな」 雰囲気のやばさに一護は気付いている。 これでは自分じゃなく、がやられるということも 「この教師は何にも関係ない!やるなら俺だけにしろよ…」 「そうもいかねーんだよな、メンツってもんがあるからよ」 「あんたらさ、コイツには手出すな…」 「あっ?何?もしかして先生この子好きなの?」 「先公が自分の生徒と恋愛関係か!?こりゃ楽しいな」 再び辺りに笑い声が響く 「好きで…悪い?」 「悪くねーよ」 「あと、松山に関わるのやめな」 「はっ、お前あいつの担任でもあんのか?だったらよ、俺らとお茶するように言ってくれねーか? そうしたら、今回のことはなかったことにしてやるぜ」 「断る。テメーラ自分がモテないからってな人に当たるたぁ〜情けねーな。不良の風上にもおけねー 惚れた女を物にしたけりゃ、それなりのことやれよ。テメーの力でなんとかしてみろ。 出来ねーなら最初っから手出すんじゃねーよ、下衆めが」 「なんだと#」 「どうせ、喧嘩も一人で出来ねーんだろ?そんな奴に女が寄り付くわけがないね。 ムカついた?なら暴力振るえば?振るった瞬間に、お前の父さんの会社もろとも潰してやるよ...」 はすごく冷たい目で睨んだ。 はやる、といったことは必ずやる性質である。 そのため今回言ったことも絶対するだろう… 「親、泣かせていいの?」 「…兄貴…」 「口から出任せだ!!やっちまえ!!」 「一護逃げろ!!」 「何言ってんだよ!!お前置いて逃げれるかよ!」 「バカ!行け!!じゃないと、許さない…」 「…」 「早く!!」 俺は言われた通りにした... その場から逃げたく無かった だが、アイツの目が真剣だったから… 俺はアイツに負けた。 俺は影に隠れていた... が、やっぱり黙って見てることはできなかった 目の前でがのめされていて… それを見てる? やっぱそんなこと俺には出来ねー… 大切な奴が身代わりなんてぜってー嫌だ! 一護はポケットにからもらったお守りがあることを確認するとのところに走って行く。 「オメーら、そろそろ引き上げるぞ」 「!!」 「良かったな。お前の身代わりできてよ」 「てめー…」 「一護…」 「!!」 「喧嘩…売っちゃだめ…」 「先生の言うこと聞いといた方がいいぜ?ボク」 というと笑いながらその場を去っていった。 一護は力なく横たわり、ボロボロになっているを膝の上に乗せる。 の体からは所々血がでたり、内出血し腫れている。 「ごめんな…」 「大丈夫…一護、怪我...ない?」 「あぁ…大丈夫だ」 「良かった」 「…俺」 「よく、頑張ったな…」 「何も出来なかった…」 「手ださなかった…それだけで偉いよ、一護は…あとは私がなんとかするから…」 「ゴメン…、ゴメンな」 「大丈夫だって…今鏡は見たくないけどさ…」 は一護の顔にそっと手を添える。 「痛かったよな?ごめんな…早く気付いてやれなくて……」 「…俺の家行くぞ」 「いや...私の家に連れてって」 「!?」 「…人に会えるような顔してないし…、あと携帯持ってる?」 「あぁ」 「海燕さんか修兵さんにかけてくれない?」 一護は電源を入れると着信があったことに気付いた。 それは修兵からだった。 Trrrr… 「おい、一護!!お前今どこにいる?」 「ちょっと…色々あってな…」 「も一緒か!?」 「…あぁ、今変わる」 は一護に変わるように言う 「もしもし、修兵さん?」 「!!お前今何処にいんだよ!!」 「それは…ともかく、今日は早退します。一護も」 「何あった?」 「…今日の放課後私の家に鞄持って来てくれたら教えますよ」 「わかった。部活中止していくな」 「いや…そこまでしなくて良いですよι」 「それじゃ、またあとでな」 「はい、それでは」 は一護に支えられながら自宅に戻る。 「修兵、一護からか!?」 隣で騒ぐのは海燕だった 「あぁ、も一緒らしいぜ」 「そうか…にしてもあいつら」 「放課後鞄持って来てくれたら教えるとさ」 「んじゃ、あいつ等誘って行くか」 「そうだな」 「どこに行くんですの?」 こうタイミングよく現れるのは伊部 「の家に鞄届けるんですよ」 「そういえば、先生見当たりませんけど、どうしたんでしょう」 「具合悪くて早退したらしいんですよ…」 「鞄も持たずに?」 「…具合悪すぎて、保健室から職員室に戻る元気なかったんだと思いますι」 「…まっ、いいですけど…行きますの?」 「はい?」 「先生のお宅に行きますの?」 「行きますけど…」 「んまー!!男と女が…いけませんわ!!あんな猛獣のような女のところに行っては!!」 「いや…」 「伊部先生、俺も行くんですけど…」 「あなたは別にいいですの」 「#」 二人はわかりやすい性格だな、と思った。 少しすると、恋次・一角・冬獅郎が職員室に入ってきた。 「一護とは!?」 「今帰ってる途中だ。帰りに寄るが、お前らも行くか?」 「おぅ」 「あぁ」 「俺は行けねーわ」 一角はそう言った。 「一護に宜しく言っといてくれ」 「わかってるよ」 一角は今日はデートなのである。 以前から約束していたため、ドタキャンという訳にもいかなかったのだ。 その頃宅では、一護がの治癒にあたっていた。 「大丈夫か?」 「うん、大丈夫」 「にしても…これじゃ、お前ってわかんねーな」 「…はぁ〜」 「…悪かったな」 「謝られても困るって!私がやったことだし、一護に怪我なけりゃいいよ」 「でも!」 「いいから…」 は一護を抱き寄せた。 自分から抱くなんてことは無かった。 ただ、一護には自分を追い詰めて欲しくなかった。 「自分を責めない」 「…」 「私が逃げろって言った。あんたはそれに従った...すごく利口じゃん! お願いだから悲しい顔しないで…。一護は何も悪くない...あいつ等が悪い… ちゃんと仇くらい私がうつから…忠告破った彼等にね」 は一護を放し、頭を数回撫でた。 「撫でんなよ…」 「かわいくないな〜、素直に撫でられりゃいいじゃん!!」 「うるせー……サンキューな。助けに来てくれて」 「どういたしまして!」 放課後四人は慣れた道を行く。 の家に遊びに行くのが結構多いので、 部屋番号も覚えてインターホンを使わなくても入り口は開けられるようになっていた。 エレベータで最上階までいくと、チャイムを鳴らす。 「来たぜ」 |
2008/03/05