の変わりに一護が玄関に出る。




 「お前ヒデー顔してんな!」



扉を開けた一護に修兵がそう言った。

 
 「こてんぱんにやられたからな…」
 「おぅ、一護!」
 「恋次!」
 「まだ、生きてるみてーだな」
 「冬獅郎!!」
 「大丈夫か?」
 「海燕も!?」








いつものメンバーが勢揃いすると、リビングに場所を移す。
リビングに行くと、がソファーに座りパソコンをいじっていた。





 「いらっしゃ〜い」
 「「「「!!!!」」」」



当然の傷を見て四人は驚いた。
の横に駆け寄るように行くと質問攻めに合う
 
 「お前それどうした!?」
 「誰にやられた!!」
 「何で一人で行った!」
 「どこでやられた!?」

などだ。
一遍に話しかけられても困るは皆を落ち着かせた。











 「それにしても、酷いな…」



修兵が痛々しそうに見る。



 「私まだ鏡見てないからどんな顔してるかわかんないんだよね」
 「見ねー方いいぜ」











修兵は直ぐにそう言った。
しかし、は傍にあるパソコンに映った自分の顔を見て苦笑いした。








 「これじゃ、お嫁にいけない…」










大丈夫!俺が嫁にもらってやる!!
なんてことを、ここにいた全員が思っていたが、流石にその場で言うのをやめた。







 「お前なにやってんだ?」






冬獅郎がの隣に座る。
の隣に座れるのは先着二名。
立ったまま喋ってる奴をよそにさっさと、自分のベストポジションを取ったのだった。





 「ん?これは暴力団のデータベース。この中に犯人がいる筈…ちょい、一護来て」





呼ばれた一護はの隣に座りパソコンを覗く。
の隣に座れなかった三人は向かえのソファーに座った。






 「何だ?」
 「あんたを暴力ふった人ってこの人達であってるよね?」
 「あぁ」
 「寺山組か…」





はそう呟いて立ち上がると、もう一つノートパソコンを持ってきた。
それを立ち上げる。







 「何する気だ?」
 「いったじゃん。あいつら業界じゃ生きてけないようにするって」
 「んなこと出来んのかよ」
 「出来るよ。ちょっと色々と顔広いから」
 「寺山組ってここらの縄張りだったよな?」




海燕が思い出したかのように言う。
すると、も賛同し頷く。




 「そう、ココ最近事件起してるから、悪い知名度が上がってるとこ...」
 「…お前…警察のHPじゃねーか!」




冬獅郎がが開いたHPを見て驚いた。
そう聞いた三人は、座っていたソファーから立ち上がり、の後ろから様子を見る。




 「ちょっとね、軽犯罪リストとかに載ってないかなって思って...」
 「パスワードを入力して下さいになったぞ?どうすんだ?」



恋次は後ろから言う。
は「大丈夫」というと、パソコン同士をケーブルで繋ぎだした。



 「まさか…」


冬獅郎は嫌な予感がした。


 「まさかのハッキング!こっちは被害者なんだからいいじゃないのさ♪」
 
 「普通に警察行って被害届出した方がいいんじゃねーの?」


海燕が心配そうに言う。

 「警察なんかあてにしても駄目。それにやられたらやり返す...これが鉄則ですから」








ここにいた誰もがには恨みを買わないようにしようと心に決めた。
暫くすると、ケーブルで繋がれたパソコンに完了の文字が出た。





 「もうちょっと、警備は厳重に!」




がハッキングをしていると、家電に電話がきた。
は受話器を取るのではなくデスクトップ上にある電話マークのアイコンをダブルクリックした。
すると、パソコンのスピーカーから電話の相手の声が聞こえてきた。






 『… 、貴様が警察内部の情報をハッキングしているのは知っている…』




機会音声でそう喋った。



 「ヤベーぞ!!」



一護は横から焦って言う。




 「大丈夫。浦原 喜助…貴様が警察署内の電話を私用に使っているのはバレている…」





も対抗するかのようにそう話した。






 『いや〜、よくアタシだってわかりましたね!』





行き成りの口調の変わりに一同は唖然とした。





 「こんなことするのは兄貴くらいしかいないって、それに私がハッキングしたことに気付くのもね」
 『流石ですね!一つ言っておきますけど、署内の電話じゃないっすよ!!』
 「署内の電話でしょ?いっつも家電に電話かけてくるときは携帯からかけないって決まってる」
 『根拠はなんです?』
 「携帯だとワンタッチで電話かけれるけど、普通の会社とかにある電話だとそうもいかないでしょ?
  普通の電話から携帯にかけると面倒だから、桁数の少ない電話にかけた方が楽だと兄貴は考える。
  それに、ナンバーディスプレイが携帯番号じゃないしね」

 『お見事です。流石、ですね。ところで、軽犯罪者リストのデータを見てどうするんですか?』
 「ちょっとわけありでして…」
 『まさか変なことに首突っ込んだわけじゃないっすよね?』
 「それはないよ!私の教え子が寺山組にやられてね…私もやられたし、これはお返ししてあげないといけないかと
  思いまして、まずは犯罪者かどうか調べてみたんですけど、まだ犯罪ごとは起したことない連中だとわかりましたよ。」
 
 『大丈夫っすか!?』
 
 「あっ、うん。心配されるようなことじゃないから」
 「心配されるようなことだろ!!」




隣で一護が話す。


 『あれ?もしかしてコレ丸聞こえだったりします?』
 「します」
 『これは失礼しました。警察署長勤めてる浦原と申します』
 「「「「「どうも…(の兄貴って警察の人だったのかよ!!)」」」」」
 『、もしかして寺山組を潰そうとしてませんか?』
 「してるけど」
 『だったら警察に手柄くれませんかね?』
 「どうしよっかな…」
 『ちゃんとお礼はしますよ!!』
 「別にお礼はいらないよ。仕方ない今回は兄貴にプレゼント」
 『ありがとうございます!!寺山組は場所を転々としてて未だに掴みきれてないんすけど、わかります?』
 「ちょっと待って」









はパソコンをカチカチと弄り始めた。


 「一つの金融会社に繋がったんだけど…そこと関係あるみたい。うわぁ〜、利息がバカになんないよ…コレ」
 
 『場所わかりました?』
 「えっとね、場所は...」













 『ありがとうございます!いや〜これでボーナスが出ますよ!!』
 「今度奢ってよ」
 『わかってますよ。それにしても、財閥のお嬢様は怖いっスネ』
 「「「「「財閥のお嬢様!?」」」」」
 「私はやったらやり返せって、兄貴に教えてもらったんだけど」
 『そうでしたか?それじゃ、ありがとうございました。ハッキングもほどほどにして下さいね』
 「最近全然してないってιそれじゃ、またね」









電話が切れ、話題はお嬢様のこと…






 「お前財閥の娘だったのか!」




修兵は驚いて聞いた。





 「はい。そうですよ」
 「なんでそんな奴が教師やってんだよ!」



恋次が続いて聞く。






 「財閥なんて面白くないし」
 「だからお前こんな立派なマンションに一人暮らししてんのか…」




海燕が部屋を一回り見た。




 「違いますよ。親の金でなんとかしようなんて今までに一度だって使ったことありませんからね。
  私の財源は全て株券ですから♪」
 「株やってんのか!?」




一護が隣で叫ぶ





 「やってるやってる。自宅にいて楽に儲けるにはうってつけでしょ?」
 「それより、お前明日学校来れるのか?」
 「そりゃ、このくらいの理由じゃ休めないしね」






冬獅郎が再度の顔の傷を見て言う。




 「内出血は刃物で血抜けば腫れは引くけど…」
 「「「「「バカ!!」」」」」
 「なっ!?皆揃って言わなくてもいいじゃん!!」
 「お前な傷に傷つけてどうすんだよ」





医者の子である一護がいう。



 「とりあえずちゃんと治療した方いいから、親父に頼んでやるよ」
 「いや、ホント大丈夫だって」
 「お前の顔見て大丈夫って言う奴いねーと思うけどな」





恋次がの顔を覗き込む


 「えぇ〜、面倒だし...」
 「顔に傷の痕のこっちまうぞ」



冬獅郎が冷静に言った。





 「そりゃ嫌だけど…」
 「おら、行くぞ」




一護は立ち上がる。
他の人達は連いて行く気満々だったが一護に止められ仕方なく家に帰ることにした。
総合病院みたく大きくはない一護の家...
個人病院にこれだけの人数が来ても困るというわけだ。
他の患者にも迷惑がかかるというのもある。
と一護は黒崎病院に行く。





 「親父」
 「お邪魔しま〜す」
 「なぁ〜、先生!!どうしたんですかその顔!?」
 「いや...ちょっとありまして…」
 「親父見てやってくれねーか?」
 「一護、お前も中々やるな!こんな美人の先生引き連れて家に上がり込むとは!!」
 「うるせーよ」
 「そちらの椅子にどうぞ」
 「失礼します」
 「それにしても酷いですね」
 「そうなんですよ…こんな顔じゃ生きてけませんよ」
 「いやそんなことないですよ!!こんなに傷だらけでもお美しい!!」
 「何口説いてんだよ…」




一護は一心にそこらにあったものを頭目掛け投げ飛ばした。
見事命中した一心はガタッっと後ろに倒れた。







 「一護!?親になんてことしてんの!?大丈夫ですか!!!」
 「なーに!!大丈夫です…」
 







一心は慎重にの顔の傷を治療する。
といっても多くのことは出来ない。
流石プロというべきか...
が一心に腫れてるところの血を出して欲しいと頼むと、最初はやめた方良いと言っていたが
血を抜いてくれた。そのお陰で元のの顔になってきた。






 「流石ですね!!」
 「いや〜、それほどでもないですよ!!」
 「親父、鼻の下伸びてんぞ」
 「ホント助かりました。治療費の方はいくらですか?」
 「いつもお世話になってる息子の担任の先生からお金などもらえませんよ!!」
 「いや...それ私困るんですけど。それに、先生とか関係ないじゃないですか
  今は私が患者ですから。ちゃんと払わせて頂きます」
 「助けてもらった礼だ」




一護が少し恥ずかしがりながら言った。





 「礼はいらない。助けって貰ったのは私の方だし。おいくらですか?」










は断固として払うと言い続け、一心は降りて払ってもらうことにした。








 「ありがとうございました!また怪我したら来ますのでよろしくお願いします」
 「いつでもどうぞ!!」
 「…」
 「どうした?」
 「ありがとうな」
 「いや…私こそありがとう。それじゃ、また明日学校で!」











一護はの後姿を見送った。
自分のせいで怪我をしたにも関わらず、怒ることは一切なかった。
どうしてそこまで助けてくれるのかわからないが、そういうとこも嫌いじゃなかった。
一護はポケットから今朝もらったお守りを取り出し見る。




本当にこのお守り、持ち主のこと守ってくれるのかもな…




そして一護はそれを大切に肌身離さず持つことにした。
持っているとアイツがいっつも近くにいてくれるような…そんな気もしたのだ。


  
















 

 

2008/03/05