翌日出勤したに待っていた言葉...








 「おはようございます」
 「おぅ、へぇ〜上手いもんだな」




海燕が昨日見たときのの顔の状態を思い浮かべ比較する。






 「一護の父さんプロだよ!!ホント凄いよね〜」
 「よぉ、
後から修兵も来る。



 「おはようございます」
 「一日で腫れ引いたのか!?」
 「そんなわけないじゃないですか!一護の父さんに無理言って血抜いてもらったんですよ」
 「そうか。まっ、外出られるような顔になって良かったな」
 「本当に…今日もあんな顔だったら私引き籠ってますよ」



 「あら!!先生どうなさったんですの!!そのお顔!?」




そう話かけてきたのは伊部
伊部が出勤してまずに話しかけるという現象自体が3人を驚かせた。
中に一人だけほっとした人がいたのは別だが...








 「マンションの階段から落ちました」
 
 「「(うわ…あからさまな嘘ついてやがる…)」」
 「また、喧嘩でもなさってたんじゃないですか?ホント問題教師ですこと、志波先生もそう思いますわよね?」
 「いや…本人が階段から落ちたって言ってるんですから、階段から落ちたんじゃないですか?
  それに、喧嘩してこんだけ傷つくるってことは、コイツ抵抗してないってことになると思うんですよ」
 「志波先生が階段から落ちたとおっしゃるならそうなのでしょうね」
 「なんで怪我した本人の話は信じないんだ…#」
 「…落ち着け…」





をなだめるのは他でもなく修兵。






 「私てっきり階段のない小さなアパートに住んでいらっしゃるのかと思っておりましたの」
 「あ〜らごめんなさい。たかだか25階建ての都営マンションの最上階に住んでいますのよ」
 「なっ!!」
 「どうかしました?伊部先生?」
 「いいえなんでもございません。私には関係ありませんもの。志波先生」
 「な、何ですか?」
 「志波先生のお宅はきっと綺麗なところなんでしょうね」
 「それ私の家が汚いって言ってるんですか?」
 「誰もそんなこと言っておりませんわ。ただあなたの性格上汚いのではないかと思いまして」
 「の家綺麗だぜ。な、海燕」
 「あぁ。物は結構あんのに整理されてるしな」
 「…志波先生もしかして、先生のお宅に行ったことが…」
 「ありますよ、何回も」
 「なっ…何回も!?」








伊部が固まった。
はそれを見て少し面白かった。
修兵も楽しんでいたのだが...
海燕はなんとも言えなかった。
変なことを想像してそうな気がしたからだ。










 「いけませんわ!!そんなことあってはいけません!!」
 「「「…?」」」
 「先生みたいな野蛮な人の家に行ったらとんでもないことされてしまいますわ!」



とかなんとか言いながら、シャカシャカ歩いて自分の席に着いた。







 「野蛮って…あんたより野蛮人じゃないんですけど#」
 「先生」
 「おっ?どうした?」
 「その怪我どうしたんですか!?」
 「いや、階段から落ちてな…」
 「綺麗な顔が台無しですね。今後気をつけて下さいね」
 「…ハハハ。それで、用事は?」
 「ハイ、僕たちのクラスって学級日誌書いてないじゃないですか」
 「あんなん面倒なだけだしな」
 「僕学級日誌書きたいんですけどいいですか?」
 「…まー、いいけど」
 「それじゃ、僕が責任取って書きます」



に日誌と書かれたノートを見せる。





 「自分で作ったのか!?」
 「はい。僕が勝手にやりたいと言い出したので、わざわざ先生に手間をかけるのはいかがなものかと
 
  思いまして作ってきました。今日の放課後先生に渡しますので次の日の朝、僕取りに来ます」
 「いや…それはいいんだけど、コメントとか苦手なんだよね」
 「それなら判子を押してください。ココに」




とノートを捲るとそこにはサインとかかれた欄があった。



 「わかった」
 「ありがとうございます」




 「確かあいつだったよな?」






が職員室を出ていったあと修兵が言った。






 「はい、そうですよ」
 「あいつあんまいい噂聞かねーからな…」
 「そうなんですか?クラスでは大人しい方ですよ。最近じゃ私の授業もちゃんと出るし、
  予習復習もちゃんとしてきますし」
 「そうか?…ならいいんだけどよ」

























その日の放課後
職員室にが来た。
日誌を渡すと職員室を出て行く。






 「おっ、初めての日誌か?」




海燕がにコーヒーを持ってきて自分の席に座る





 「初めてのおつかいみたいな言い方しないでくださいよ! コーヒーありがとうございます。
  海燕さんのとこは日誌つけてます?」
 「一応な。出席とか欠席とか遅刻・早退・忌引きの確認にもなるしな」
 「そうですか。コメントとかもつけてます?」
 「いや、時間もねーからサインで終わらせてる」
 「そうですか」
 「何か書いてあるか?」







と海燕は日誌のコメント欄を見ていた。


”特に大きな出来事はありませんでした。
 でも、まだ先生の授業受けようとしない人いますね。
 こんなに解りやすい授業してくれる先生もいないのに勿体無いです。
 今度また個人的に勉強教えて下さい。
 今日もお疲れ様でした。”







 「普通だな」
 「そうですね。朝修兵さん言ってたの噂ってどういうのなんですか?」
 「あいつの噂ね...あいつのせいでやめさせられた教員結構いんだよな。影でなんかしてるみてーだぜ」
 「へー、いい奴に見えるのに」
  
 「まっ、気をつけろな」
 「はーい」







 「志波せ・ん・せvV」



と呼ばれ本人である海燕は背中に寒気が走った。
あながち本人だけでもないみたいだ
なんかは顔が引きつって背筋をピーンと伸ばしていた。







 「どうも…」
 「今日の夜お食事どうです?」
 
 「食事ですか?」
 「はい。よろしかったら私の家で御馳走しようと思いますの」
 「…」


海燕はそっとを見る。
は首を横に振った。
 「(海燕さんそれは属にいうピンチというやつですよ!あなた完璧狙われてますよ!!
   行ったらアカン!!きっと…食べられるよ…ピラニアに…)」

そんなことを思い目で伝えようとは頑張っていた。





 「最近フランス料理を習い始めましたの」
 
 「そうなんですか…」
 「是非、志波先生には食べて頂きたいと思っておりましたのよ」
 「……そうですか…ι(、助けてくれ!!)」
 「(そっそんな!!伊部の暴走止めるなんて無理ですよ!!)」
 「(お前ならなんとかなる!!頼む、何とかしてくれ!!!)」
 「(何とかって言われても…)」






 「おーい、海燕」


修兵が少し遠くから呼んでやってきた。




 「修兵!」
 「(修兵さん!!なんてナイスなんだ!!私は今日からあなたを神と呼ぶよ!!)」
 「朝、の家に行くって約束してたろ?」
 「お、おぅ!」
 「昨日貰った特上の肉あんだけどそれですき焼きしねーか?」
 「おっ!いいな」
 「…志波先生……またこの子の家にいかれるんですか?」
 「俺一人暮らしだからほとんど毎日コイツの家で晩飯よばれてるんですよ。修兵と」
 
 「それなら私だって作りますわよ?こんな子よりも美味く」
 「も料理上手ですよ」
 「志波先生はこんなはしたない問題児のことお好きでいらっしゃるんですか?」
 「私に失礼だと思いますよ、その発言」
 「だってそうじゃないですか!いつも私が誘ったときはあなたと食事だのなんだのって
  可笑しいと思って当然です。それにこの学校に来て良い事何かしました?
  いつもあなたが起すことと言えば問題ばかりじゃありませんか!!」
 「ちょっと落ち着いて下さいよ」



海燕が仲裁に入る。



 「志波先生、私はあなたと二人きりでお食事がしたいのです。空いている日教えて頂けません?」
 「部活も忙しいので…なんとも…」
 「待っていますわ」
 「あのさ」




が口を挟む。








 「何ですの?私は志波先生とお話していますの。あなたは黙っていて下さい」
 「黙ってて?人の事散々なこと言って置いてよく言えますよね?」
 「あなたみたいな野蛮人とお話することはありませんことよ」
 「じゃー、はっきり言ってあげる」
 「「やめとけって!!」」



二人の男教師が止めようとしたがそれは無駄。









 「あなたわからないんですか?志波先生が迷惑しているということに」
 「迷惑?」
 「迷惑している以外に何かあります?あなたが一方的に好意持ってるのは見ていればわかります。
  過度なんですよ。特に最近は...何かと志波先生志波先生って
  そんなに好きなら告白すればいいじゃないですか。
  海燕さん困ってるじゃないですか。好きな人困らせて楽しいですか?
  結婚適齢期過ぎて焦ってるのはわかりますけど、そのことに他人巻き込むの辞めて下さい。
  いい迷惑ですので。それと、海燕さんに言い寄るのもうやめて下さい。
  見てるこっちも嫌な気分になりますので…」

 「なっ…小娘がいい気にのらないで!あなたに何がわかるのよ。好きな人だっていないくせに…
  だいたい志波先生が私のことそんなに嫌がっているならば何か言うと思いますけど」
 「本当にその人が好きなら、その人が幸せになること考えるべきだと私は思います
  それに、好きな人くらいいます。本当にわかってないんですね。海燕さんの優しさですよ
  あなたに迷惑だって言わないのは。そのくらいわかるもんじゃないの?」
 「なんて口の聞き方…もういいですわ。私帰らせて頂きます」








伊部は鞄を乱暴に取ると職員室を出て行った。









 「言いすぎなんじゃねーのか?」





海燕がに言う。




 「そんなんだから駄目なんですよ!!もっとビシッっと言ってあげないと大変なことになりますよ!」
 「大変なことってなんだよ…」
 「そりゃー、伊部の部屋にお呼ばれして、
  【志波先生今日泊まって行きますよね?お風呂沸いているのでどうぞ♪】
  【お布団はこっちですの】
  とか言われて襲われますよ!!」
 「…」
 「海燕!!想像しちゃいけねーぞ!!」



修兵が海燕の頭の上に浮かぶ靄を消し去る。 
海燕は首を振って、にサンキューと言った。




 「でも、あれで引き下がるか?」



修兵が伊部の性格を思い出す



 「大丈夫じゃないですか?好きな人にこれ以上嫌われたらどうしようもなくなりますからね。
  それに、今度は海燕さんがちゃんと言うと思いますし」
 「おぅ」
 「それでですね、修兵さん!」
 「あっ?」
 「特上の肉ですき焼きするんですよねvV」
 「あぁ?」
 「嘘だった…なんて言いませんよね?」
 「ちゃんとあるぜ」
 「ワーイ!!それじゃーすき焼きしましょう!」







ということで宅にやってきた。
誰かが集まるとなると必ずの家に集まるのだ。
どうしてかはわからないが…










 

 

2008/03/05