特上の肉ですき焼きを食べるため、はルンルン気分で野菜を切り鍋の支度をする。 その間男教師二人はリビングで寛いでいた。 「なー、海燕」 「あっ?」 「さっき好きな奴いるっていってただろ?」 「そうだな」 「誰だろうな」 「さーな。あいつの考えてることなんかは本当にわかんねーからな」 「すき焼き出来ましたよ!」 は鍋を教師二人がいるテーブルのところに出す。 いい香りが三人の食欲を誘う メインディッシュが食卓に並ぶと三人は特上肉を頬張る 特上肉、というだけあるのだろう。 その美味さからあっという間に肉はなくなり、三人の胃袋に納まった。 食べ終わると、三人はソファーに寄りかかり、話しをはじめた。 「そういやさっき、お前好きなやついるって言ってたよな?」 修兵が興味津々にに聞く。 は「あ〜」と言って先程の伊部との会話を思い出す。 「「でっ、誰なんだよ!?」」 もちろん興味があるのは修兵だけではない。 もちろん海燕だってその、の好きな人のことを知りたいのだ。 二人とも、もしかしたら… という期待を胸に目をキラキラと子供のように光らせて詰め寄る。 「いやいや...そんな目で見つめられても…ι」 修「勿体ぶんなよ!」 海「そうだぜ、言っちまった方が楽だと思うぜ」 「…それ、もう脅迫ですよね!?」 「「どうせ知れ渡ることだ。早く楽になれよ」」 「この教師陣嫌だ…。というか、私の好きな人知ってどうするんですか?」 「「!?そりゃお前…その…なー」」 二人は顔を見合わせる 「まー、別に話してもなんてことも無いですけどね」 修「じゃー話せよ!!」 「話して私に得あります?」 修「そりゃ…ねーけどよ」 「冗談ですよ。皆好きですよ」 海「…」 修「…」 「きっと期待には答えられないと思うんですけど」 「…強引に聞こうとして悪かったな。そうだよな」 海燕は少し罰の悪い顔をしてに言った。 「好きな人は自分の心の中にとどめておけってか」 修兵もふっっと笑って言う。 「私修兵さんのこと好きですよ」 「マジか…」 「海燕さんのことも好き。もちろん、冬獅郎・一護・恋次・一角も好き。がっかりしました?」 「いや、そんなもんだと思ってたぜ」 海燕がの頭を数回撫でた。 「今日は朝まで飲むぜ!!」 半ヤケ気味に修兵は酒の入ったビンを手に取り、コップに注ぐ 「オー」 っと二人はコップを修兵の前に出し注いでもらう。 一時間経つとはベロンベロンだった。 「さっき私に好きな人聞いてましたけろ、修兵さんいるんですかぁ〜?」 「俺か?まーな」 「誰れですか!?」 「さーな。お前には早すぎんだよ」 修兵はツンとのデコを突く 「いひゃいですよ」 はそんな攻撃をしてきた修兵を睨むも、酔いつぶれた目で見られても全然怖くもなんともなかった。 「海燕さんもいるんですか?」 「あぁ」 「へぇ〜。そりゃ、こんなにかっこよかったら女の一人や二人いて当たり前ですよねぇ〜」 「二人いたら問題あるけどな(苦笑)」 「もしかして伊部先生だったりして(笑)」 「ぷっ。ありえるな〜」 修兵は面白そうにの意見にのる。 「んなわけねーだろ!!」 「でも、二人の好きな人ちょっと羨ましいですけどね...」 「「?」」 「..zZZ」 「「…」」 そんなことを言って眠りについてしまったを見て、二人は顔を見合わせて軽く笑った。 修兵はの寝室から毛布を持ってきてにかけてやる。 「こいつ絶対明日は二日酔い決定だな」 「俺もそう思う」 床に寝ているを見て、二日酔いに懲りていないと笑う二人。 二人はテーブルに置いてある酒に目を移し変え再び飲み始める 「何でこんな奴好きになっちまったんだろうな」 修兵が少しだけ悔しそうに言った。 「さーな。わかんねーけど、惹かれてた」 海燕も少し悔しそうだった。 修「俺らが一人の女にここまで執着して必死ってこともなかったしな」 海「正直どうしていいかわかんねーよ」 修「俺もだ」 海「でも、コイツにとっちゃ、俺達は一護や冬獅郎、恋次、一角と同じlikeなんだろうけどな」 修「片思いってのも辛いもんだよな」 海「確かにな」 そんな話が繰り広げられている なんてことを知らないは気持ちよさそうに寝ている。 「俺らもそろそろ寝るとすっか」 修兵はの入っている毛布に身体を突っ込む 「何してんだよ、修兵」 といいつつ海燕もの毛布に入る。 毛布に入った二人はを挟むように寝た。 翌日... 「うっ...気持ち悪い…」 「お前、飲みすぎなんだよ」 の代わりに朝食を作る海燕が机に伏せて死んでいるを見ていう。 「…なんで海燕さんと修兵さんは二日酔いにならないんですか?」 「あんくらいで二日酔いになるなんて、お前もまだまだってことだよ」 修兵が洗面所から出てきてそう言った。 は少し眉をひそめた 「二人とも強靭すぎるんですよ...肝臓」 「おら、飯でも食って元気だせ」 海燕が即席で作ったチャーハンをの目も前に出す。 修兵の分と自分の分のその横に置き、くたばっているを見ながら食べる。 一方はというと、食欲なんてなかった。 「お前折角作ってやったんだから食えよ」 「食欲なんてミジンもないですよ…」 「んじゃ食わせてやろうか?」 「自分で食べれます」 「そんじゃ、食えよ」 「うっ…」 はスプーンを持つとチャーハンを口に運ぶ 「…おいしい」 「だろ?」 そのおいしさ故、パクパクと口に運ぶが、食べ終わった後、気持ち悪さが増した気がした。 「もう…無理です…」 「お前学校休んだらどうだ?」 「行きますよ。まさか二日酔いで休むなんてできませんし…」 「お前マジで顔色悪いぞ?」 修兵がの顔を覗き込む はビクッっと身体を起すと洗面所に慌てていった。 残された二人ははてなマークを浮かべ、顔を見合わせた。 が出てきたのはだいたい30分が経った頃だった。 「お前30分も立てこもって何してたんだ? 「何って…化粧に決まってるじゃないですか!!修兵さん急に覗くから…」 「化粧?そんなもんに30分もかかるのか!?」 「はい。30分って短い方ですよ?かかる人って1時間とか普通にかかるし」 「へぇ〜色々大変なんだな」 「早く出ないと遅刻しますよ?」 時計を指しながらがいう。 「「あっ!!!」」 二人は慌てて準備をする。 「「「いってきまーす」」」 と言って三人は家を出た。 そして、二日酔いのにとってしんどい一日が始まった。 |
2008/03/05