「おい...市丸...」
息を切らした恋次が入ってきた
「邪魔…せーへんといて…」
「それでも人間かよ...」
「失礼な奴やな。人間以外ならなんなん?」
「取り敢えず...そいつ放せよ...」
「ごめんな。もう授業になってまうから、ボク行かなアカンネン。ほなまたな〜」
ヒラヒラと手を振って出て行く市丸
ガタンと音を立ててはその場に崩れた
「・・・。大丈夫か?」
恋次が心配そうに覗き込む
「…お前も授業だろ?」
「そうだけどよ...」
この状況を放っておけって方が無理だろ…
「立てるか?」
「大丈夫…」
スゲー、フラフラしてんだけど...
「保健室行くか?」
「大丈夫だから…授業行った方がいい…次はアイツの授業だし」
アイツとは市丸のこと
俺が見てもコイツ震えてる…
声も震えてるし
体も震えてる...
「バーカ。ここまで弱ってる奴見て放置はできねーよ」
「後で、何されるかわかんないよ?」
「そりゃ、俺じゃなくてお前」
恋次がを指差した
「私が何かされる方がまだいいよ...」
聞こえないように呟いた…はずでした。
「…」
「お前小さいわりに頑張るよな」
「そこまで小さくないし」
「俺にとっては小せーよ。リトルだなリトル」
「妙に英語使わなくていいよ...余計虚しくなる」
は自分でも震えているのがわかった
「…かっこ悪…」
「泣けば?」
「泣けるか、アホ」
「泣いてもいいんじゃねーの?ここには俺しかいねーんだし」
「人に弱いとこ見せるの好きじゃないので」
はしゃがんだ
正確に言うと立ってられなかった
「…だろうな」
あの時誓ったんだ...
強くなるって...
だから泣かないってそう決めたのに...
「泣いちまえよ」
恋次はを優しく抱いた...
今日…おかしいよね?
私の周りで何があったの?
皆、変...
それとも、私が可笑しいの?
あったかい...
黒崎とは違う暖かさ...
でも、嫌じゃない...
またそう思った。
そしてまた、ドキドキしてる...
「強がりだよなお前」
「そうでもない」
「自覚症状無しかよ...」
恋次は苦笑した。
私は見ることはできなかったけれど...
彼の腕の中だったから
「ココの連中はお人よしだな。女子の連中と足して2で割れば丁度いい」
「そうかもな。女子はな...」
「あんたと一緒に居ると、私ただじゃ済まなくなるんだよね〜」
「何かくれんのか?」
「さー。いいとこで平手じゃない?」
「遠慮しとくぜ」
「私もだよ」
は恋次の腕の中から抜け出した
「スッキリしたか?」
「お蔭様で」
「んじゃ、何か奢れよ」
「あんたらは...。じゃー今日私の家にきなよ」
「?」
「修兵さんと海燕さんにご飯作るって約束してたからさ。他の奴等も連れてきていいぞ」
「あの二人と仲いいんだ」
「席隣だしね」
「んじゃ、他の連中誘って行くな」
「はーい、待ってます!今の時間は欠席にしないから」
「いいのかよ!?」
「もとわと言えば市丸のせいだしね。それに、担任だからちょいといじれるわけよ」
「…ぜってー教師のやることじゃねー」
「次の時間からはからちゃんと授業出ろよ」
「そりゃ、出るっての」
と恋次が図書室から出て行く
「頑張れよ!」
は飴を恋次に投げた
「!?」
は職員室へと消える
俺も、コイツのこと嫌いじゃねー…
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