私と恋次は幼馴染で、現在私は部下。

これでも頑張って六番隊七席までのぼりつめた。

でも、副隊長の恋次との差はまだまだある。










 「フー...(お弁当でも食べようかな)」







私は眺めの言い所に座りお弁当を広げた。
今日はちょっと手抜きをしたけど、おいしければいいさ!









 「よっ!」
 「恋次、まだ仕事?」
 「いや、これから昼にしようと思ってたとこだぜ。隣いいか?」
 「どうぞ」






は恋次に軽く笑ってみせ、そのまま視線は上えと変わり空を見つめた







 「何か久々に会った気がする」
 「最近忙しかったしな」
 
 「そうだね。今度さ...」
 「阿散井副隊長!一緒に昼食取りませんか?」






平隊士である木下が小走りで来る




 「おぅ。 ?」




は弁当を仕舞いだした
そして、立ち上がる。



 「どうした?」
 「私...えっと、資料鳥に行かないといけないので」
 「…そうか」
 「またね」
 
 「おい!さっき言いかけてた...」
 
 「あれは気にしないで!それじゃ」








は走って行ってしまった。
恋次が見えないところへと行くと歩き出す。









 「何?あの目つきは# どうせ私が邪魔なんでしょ...」







一方横からやって来た女とは、




 「どうぞ食べてください。作ってきたんです」
 
 「へー、美味そうだな」
 「ありがとうございます(邪魔者もいなくなったしv)」











は執務室に戻る気もせず、道場へ行くことにした。
そこには人の気配はない。
練習用の木刀を持ってきて練習を始めた。
嫌なことも忘れてこれだけに熱中できた。
暫く経つと恋次が姿を現した













 「こんなとこに居たのかよ」
 
 「何か用ですか?」
 「お前さっき資料取りに行くとかって言ってたよな」
 「うん。資料なら私の机の右に置いてなかった?」
 「ありませんでした」








恋次の後ろからヒョッコリと先程の女が出てきた。
は少し目を細めた。










 「…今行くから」






は道具を片付けると執務室へと戻った。
戻る際恋次はいたが話さなかった。
原因は横にひっついてる木下...
どうも私は彼女が好かないのだ。













 「…はい、資料」
 「ごめんなさい、気付かなかったわ。机の上が汚かったので」
 「ホント、お前少しは整理しとけよ」









恋次はの机の上を見て苦笑した







 「そういうこと言うんだったら、私にあまり仕事回さないで下さいよ」
 「お前仕事の能率いいから仕方ねーだろ」
 「じゃー給料上げてよ」
 「そりゃ隊長に言えよ」










こんな何気ない会話。
だけど、私にはこういう何気ない会話が好きだった。

















―――数日後








 「なーい!何で!?」









執務室でそう騒ぎ立てる一人の隊士






 「どうした?」
 「昨日出来上がった書類ここに置いてたのに無いの!!」
 「マジか!!」







その日結局その書類は見つからなかった。
一緒に探してくれた恋次にお礼を言い、
朽木隊長に謝りに行った。




そんな翌日...





昨日消えた書類がヒョッコリと現れた。








 「合ってよかったじゃねーか」
 「うん...ありがとう」






書類を見つけ嬉しい筈のの顔は何だか浮かなかった。




それは一回じゃ済まなかった。
こういうことが4・5回たて続けに起きた。
それには流石に恋次も呆れていた。










 「お前な、一回ならまだしも、もう4・5回もだぞ」
 「…。恋次は私がわざとやってると思ってるの?」
 「……そうとしか考えられねーだろ」
 「私やってない!そんなことしてない!!」
 「もういいから、仕事に戻れ」
 「...恋次...」








恋次が戻った後で、あの女に目をやると、口角をあげて笑っていた。
は机の下で強く拳を握った。
その為手の平から血が滴っていた。
その痛みはなく、私の中にはただ、あいつの笑みだけが浮かんでいた。
その時、





 「おい、
 「何?」




恋次に話しかけられる。




 「これ資料子に戻しといてくれねーか?」
 「そこに置いといて…」
 「…置けねーだろ...ほら」





机の上の書類の山を見て言うと、
手渡しで渡そうとする。
しかし、今のの手ではとても受け取れない。
はたまたま置いてあった手袋を着用しそれを受け取り執務室から急いで出た。

出たはいいのだが、私は手の痛さに資料を落としてしまった。
急いで資料を拾うべきなのだろう。
だが、そんな余裕はなかった。
手袋を脱ぐと、予想以外に傷が深かったのか痛さに襲われる。
その痛さに耐える為にその場にしゃがむ。
誰もいなくて良かったと思ったのは一瞬だった。















 「…何をしておる」
 「朽木隊長!! ...今から資料を戻そうと思いまして」
 「…」










白哉は目を少し細めてを見た。
細かく言うと手を見たのだろう。










 「(どうしよう...このまま資料持ったら血付いちゃう...
   こんなに血が出るとは思わなかった...)」
 「…その手はどうした」
 「先程転んでしまって」
 
 「…四番隊に行って来い」
 「大丈夫です......ッ...」





白哉はの腕を掴んだ








 「朽木隊長」




恋次が執務室から出てきた。
何事かと思い駆け寄る。








 「...」
 「恋次、を四番隊へ連れて行け」
 「はい、行くぞ」












四番隊に行く際何も喋らなかった。
気まずさだけがあった。

















 「はい、もう大丈夫ですよ」




花太郎に治癒してもらいの手の平は元のように肌色をしていた。




 「ありがとう...」
 
 「世話になったな。行くぞ
は立ち上がるとユックリと歩き出す。





 「大丈夫か?」
 「……はい」
 「…お前木下の悪口言ってんのか?」
 「私が!?言ってない、私じゃ...」
 「そうか...」
 「先...行ってて下さい」
 「おぅ...気ぃつけろよ?」
 「…はい…」
 「…それと、悪かった」
















私は一人になりたくて、屋根の上を散歩がてら戻ることにした。
















数日間何も起こることなく過ぎて行った。




ある日それは起こるのである...













続きを見る

 

 

2008/03/06