ある日私が出勤すると、恋次に抱かれ泣いているあの女の姿があった。
入った瞬間私は注目を浴びる。











 「鈴...お前がやったのか?」
 「へっ?何が?」
 「出勤したら木下のデスク荒らされててよ...
  ”消えろ”って書かれてた」
 「私やってない」
 「言い逃れする気?」



いつも木下とつるんでいいる奴がそう言った。





 「それに、コレあなたの髪飾りでしょ?木下さんのデスクの横にあったわ。
  これでもしら切ろうっていう気なの?
 「数日前に無くなった私の髪飾り...」
 「昨日無くしたんでしょ?」
 「違う!私そんなことしてない」







鈴は自分はやっていないと主張する








 「グスン...私、見ました。...私が忘れ物を取りに来たとき...さんが...私の机を」







恋次は木下の頭を優しく撫でてやる。
少し冷たい目で恋次は鈴を見た。








 「お前の席貸してやれよ」
 「...恋次...」









どこかで恋次だけは信じてくれるって思ってた...
現実ってそう甘くはないんだね...
今わかった気がする。










 「そうぞうしい…」



白哉が執務しに入ってきた







 「朽木隊長実は...」



朽木の隣に居合わせた三席の子が訳を話した。









 「...鈴、来い」
 「はい...」










私は木下を睨みつけた。
すると、挑発的な顔をし、”バイバイ”と口を動かした。











 「...失礼します」



隊長の執務室へ入ると、筆と書類を鈴へ渡した。



 「!?」




鈴は白哉を見上げる。









 「ここで仕事をするがよい」
 「お邪魔じゃ...」
 「構わぬ。無効よりは仕事が進まないのではないか?」
 「ありがとうございます」






鈴は白哉の気遣いに涙がこぼれた




 「泣いても、何も変わらぬ」
 「はい...朽木隊長は...私がやったとは思わないのですか?」
 「思わぬ」







それだけを言うと、白哉は机へと向かう






 「ありがとうございます...」







コン
 コン







 「入れ...」
 「失礼します」







恋次が中に入ってきた。










 「隊長、昨日の資料です」









白哉は鈴を隠すように立ち、それを受け取った。









 「…失礼しました」



恋次はゆっくりと戸を閉める。






 「(アイツ...泣いてたのか?)」

















数日間鈴は自分の席で仕事をこなすよりも頑張っていた。
そして、一つの決意を出した。






 「(これ以上隊長に迷惑かけらんないよね...)」







鈴はその日付けで辞職届けを出した。







 「…お願いします」









鈴は深々と頭を下げた。






 「良かろう...」
 「私、隊長の下で働けて本当に良かったです」








鈴はここのところ見せなかった笑みを久しぶりに見せた。







 「それでは、失礼致しました」












鈴は六番隊から去った。
寄り道でもして帰ろうとしていると丁度、海燕に会った。









 「鈴じゃねーか!」
 「海燕さん!」
 「お前朝っぱらからサボりか?」
 「酷いですよそれ!」




鈴は苦笑した




 「私辞めたんですよ」
 「辞めたって、何をだ?」
 「死神」
 「何!?」
 「声でかい…」
 「お前辞めたってどういうことだよ」
 「新しい人生をやり直そうと思って」
 「…」






海燕は黙って鈴を見た







 「何かあったのか?」
 「えっ?」
 「顔に辞めたくありませんって書いてるぜ」
 「…」
 「恋次と喧嘩でもしたのか?」





鈴は首を横に振った








 「喧嘩とかのレベルじゃないですよ」
 「何があった...」
 「...海燕さん」











鈴は海燕に抱きつき泣いた。
そして、此処最近の出来事を一部始終話した。














 「もう大丈夫だ。お前死神辞めたくねーんだろ?」









鈴は頷いた。










 「おし、恋次とその女のとこに行くぞ」
 「えっ、ちょっ!!」
 「このままでいいわけねーだろ」












海燕は鈴の手を引っ張り六番隊の隊舎まで行った。
















 「おい、恋次!」













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2008/03/06